さて、それでは今回はBitSummit2024において特に気になった作品を紹介していこう。
しょーもない記事ではあるが前回は、会場で配布されており頂いたグッズを紹介している。
よかったらこちらも見てみてね。
【Bit Summit2024】 頂いた配布物の紹介! 【インディーズゲーの祭典】
OPUS: PRISM PEAK
良質なストーリーで知られる台湾はSIGONOが送るアドベンチャー、OPUSシリーズ第四作目。
前作・星歌の響きは自分が今まで遊んだ数千ものゲームの中で迷わず一番に選ぶほど好きで
唯一、声を抑え切れないほど泣いてしまった作品でもある。
(涙もろい方ではあるがゲームではほろ泣きすら滅多にない)
ゲームとしては異例であるが、カンヌ国際映画祭の場でプレゼンする機会を与えられたり
評価の高い日台合作映画・青春18×2 ~君へと続く道~ で作中に登場するゲームのIP提供および、ストーリーへのアドバイザーとして参加したことなどがファンの間で話題になったりと、注目を集め続けているスタジオなのだ。
出展はされたが今年は試遊も映像もなく、集英社ゲームズのブースに展示パネルが用意されたのみ。
しかしイベント直前に最新トレーラーが公開されている。
主人公は多くの挫折を経験し、人生に疲れている様子が窺えるカメラマンの男性。
異世界に迷い込んでしまい、そこで出会った一人の少女と交流しながら脱出を目指すという内容。
OPUSといえばこれまでは宇宙が大きく関係しているのが特徴の一つだったが、本作は今のところSF要素は見当たらない。しかし主人公が迷い込んだという世界は地球のように見えるが・・・?
※
これまで発売された三作のうち二作は宇宙が舞台で、人類が地球出身であることさえ忘れ去られている遠い未来世界のお話。一作だけは地球が舞台だがすでに滅んだ後である上に、滅亡前から永い間
宇宙に出ていった人々との交流もなく、隔絶されてしまった世界として描かれている。
一作ごとに大きな成長を見せてくれているチームで、今作はグラフィックが大幅に向上しているのが印象的。
前作の素敵なイラストによる、豊富なイベントスチルが大好きだったので
それが無くなっていそうなのは少し残念だが、ここまで映像が綺麗ならばすべて3Dモデルで進めた方が違和感はないかもしれないね。
肝であるストーリー、音楽に関しては不安は一切なし。これまでの実績から信頼しきっている。
カメラを使って謎を解く、というゲーム部分がどう仕上がるのかは楽しみ。
開発者様方は日本のゲームやアニメが大好きだそうで、それら作品を通して得た感動を自分たちも多くの人に届けたいという思いが理念になっているため、シリーズ通してキャラクターや物語は日本人にも非常に馴染みやすいものとなっている。
ローカライズにも力を入れてくれていてテキストはまったく違和感はないし、ボイス付きの作品では
キャストに寺島惇太さんや長谷川育美さんといった、実力派を起用してくれている。
(今作の主人公は三木眞一郎さんっぽい?)
知らなかった方は是非、これを機に一度シリーズに触れてみてほしい。
物語に繋がりは無いので、どれから始めても問題ないよ。
過去キャラのカメオ出演など、「おっ」と思う要素がさりげなく入れられている程度。
【評価/レビュー】 OPUS 星歌の響き 【魂を揺さぶる一作】
【評価/レビュー】 OPUS 魂の架け橋 【心を打つ名作!】
九日:ナインソール
OPUSと同じく台湾発、RedCandle Gamesの作品。
九日と書いてナインソールと読み、決してここのかではない。
(ちなみに中国語では日数の日は天と表記する。ここのかなら九天)
2D横スクロールのメトロイドヴァニアなのだが、アクションは高難易度のソウルライク。
弾き(パリィ)から活路を見出すゲーム性はWo Longや、僕は未プレイなのだが隻狼を彷彿とさせるかもしれない。
開発チームは返校DETENTION、還願DEVOTIONなどストーリー性の強いホラーゲームで有名だが
本作もかわいいキャラに反しておどろおどろしい世界観や、凝ったストーリーが展開される。
好きな配信者さんが実況プレイをしているのを見た時から気になっていたのだが、今回会場で
試遊させて頂いたところ想像以上に好感触だったため、購入決定。
油断すると雑魚でも死にまくる鬼畜ゲーながら、弾いて強力な攻撃を叩き込む爽快感は格別。
この作品はすでに発売済みであり、わざわざここで面白そうと紹介するまでもなく世間では大好評。Steamレビューは甘いとはいえ、執筆時点で投稿約7500件で95%が好評としているのは尋常ではない。
本イベントで優れた海外作品に贈られる賞である、インターナショナルアワードも受賞した
多くの人が認める傑作なのだ。
ポーショノミクス ~シルヴィアの魔法薬店~
SwitchおよびPS5で発売予定の魔法薬店経営SLG。
紹介動画では日本語音声だが、ゲーム内では英語音声のみだそうなので注意。
見習い魔女のシルヴィアとなって素材を集めポーションを調合し、お客さんと交渉しながら商売して借金を返しつつ、住人と交流もしたり・・・恋愛もあるそうなので乙女ゲーなのかも?
でもこの手の経営SLGは大好きなんだよね。あとキャラデザインと絵柄が好き。
こちら、すでにSteam版が配信されているものの日本語には対応しておらず
ローカライズされたものをプレイしたいならこのCS版一択。もしかしたら後々実装されるのかもしれないが。
キャラクターボイスをはじめいくつか追加要素があるそうだが、それは是非Steam版にも入れてあげておくれ。ゲームは楽しそうだが先行機種をフォローしないなら、そういうやり方は好きじゃないから。
Wabisabi ~SUSHI DERBY~
握ったお寿司でレースを行い、賞金を稼いでいくという、一体何をどうしたら
こんなアイディアが生まれてきたのかという奔放さが魅力的な一作。
コースは回転ずしのレーン上であり、
お寿司はレース中に客に食べられてしまい死亡(?)することがある。
レースはオートで進行するがゲージが溜まると自分のお寿司を応援することができ、一時的に
速度が増加するので客に狙われている場合はこれを利用して逃げ切るというわけ。
もちろんライバルである他のお寿司を追い抜くために使わなければならないこともあるし、でもそうするとチャージ中に食べられてしまうかも・・・といった駆け引きがある少し風変わりな育成レースゲームだ。
食べられてしまっても”売り上げ”としてお金はもらえるので詰まることはないようだし、製品版では鮮度なるシステムが導入されるそうで、生き延びてもレースを重ねるごとにお寿司は弱体化していくのだとか。
一体をじっくり育成するのではなく、貯まったお金でどんどん基礎ステータスの高い寿司ネタに
乗り換えていくって感じだね。ナマモノだけに入れ替わりは激しいようだ。
試遊段階では寿司を握る→トレーニング→レースの繰り返しで少し単調になりそうかな?
という心配があったが、発売までにどう仕上げてくるのか注目したい。
テンポ良くサクサク進められそうな感じなので、肩肘張らず手軽に遊ぶゲームなんだろうね。
あとドット絵のキャラクターは文句なしにかわいくて好印象。
リバープロジェクト・トーキョー
ジャンルは東京ドラマティカル・サバイバルクラフト。
何じゃそりゃと思ってしまうがとりあえず内容は
無実の罪で警察に追われることになった主人公が、冤罪であることを証明するために
社会の目から逃れつつ東京の街を奔走する──
といった物語らしい。
主人公は物を直すのが得意であり、この能力を活かして漁ったゴミなどから
アイテムを生成してゲームを進めていくって感じになるのかな。
トレーラームービーを見るに体調管理といった要素もありそうで、設定や物語だけでなく
ゲームシステム面も面白そう。
あとは非寛容で相互監視している現代社会を風刺する内容が込められていそうで、そっちにも期待している。
都会は人であふれているが孤独を感じる──
これは別に僕に限らず多くの人がそう思うありふれた感情だそうだが、そんな冷たさや
人間同士の壁を上手いことゲームに落とし込んだ作品なのかもしれない。
CREEP ZONE
絵本っぽいような、学校の怪談っぽいようなグラフィックが目を引く探索型アドベンチャー。
開発はSKOOTA GAMESとなっているが調べてみたところどうやら、一つのチームではなく
色んなインディーズゲー開発者が在籍し、支え合っている組織・・・みたいな感じなのかな?
なので同名義で出展されていた月の鱗というゲームも気になるのだが、恐らく開発者さんはそれぞれ違うのだろう。
舞台はバケモノたちが支配する街・クリープゾーン。
主人公であるココは王女でありながら、魔力を扱うことができない落第者。
母である女王は “でっぱり” と称する体が邪魔をしているのだと考え、彼女の首を刎ねようと画策する。
※ココは成長するに従い体が無くなっていき、最終的に頭部だけになるという種族らしいが
彼女は何故か体が退化せず人間と同じような姿のまま成長し続けている。
魔力はないが頭はキレるココ。首だけにされてしまうなんてゴメンだねと女王から逃れつつ
配下を増やしていき、王位を簒奪するという物語なんだそうな。
こちらはコメディ色の強そうな作風に見えるが、サガフロ2のギュスターヴみたいな境遇・・・と
考えると結構気の毒に思えてしまうが、はてさて。
絵柄や世界観が好きなので目に留まり、気になっている一作だ。
歳久丹青
Rolling cat Studioが送る街経営シミュレーション。
調べてもいまいち情報が出てこないのだが、他の発売済みタイトルに簡体字の漢字が使われているので恐らく中国の開発チーム。
唐宋時代が舞台となるシムシティとか、シティーズスカイライン的なゲームなのかな。
面白そうなのはマージパズル的な要素もあり、建築済みの三つの建造物を組み合わせることで
上位の施設に進化していくのだとか。
全5ステージとのことなので少しボリュームが気になるが、同チームの他作品はいずれも
リーズナブルな価格であるため、お安くサクッと遊べるタイプのゲームなのかも。
街づくりSLGは好きなジャンルの一つ。中国含め海外産は結構中世が舞台のものがあるけど
そういや国産タイトルにはあんまりそういうのがない気がする。
戦国・・・だと合戦は外せず信長の野望になっちゃうし、江戸時代辺りのが出たら遊んでみたいな。
知らないだけであったりするのかな。
まとめ
他にもまだまだ気になる作品はあるが、すべて紹介するとなると膨大な量になってしまうため
今回はここまで。まあ別途記事を用意するのもありだし、気が向いたら書くかも。
いやそれにしても多種多様な作品に出会えて楽しいイベントだった!
インディーズ作品とは規模が小さく、フットワークが軽いだけに
大手では企画段階で突っ撥ねられてしまいそうな、尖ったアイディアの作品も数多いので
見ていて楽しいだけでなく、勉強にもなるんだよね。
「あ、なるほど。こんなことが発想次第でゲーム化できちゃうんだな」って感じでこう、着眼点や発想の幅が広まるというかね。
インディーズゲーとは独自性と多様性のるつぼだよな、としみじみ思う。
世界中から人が集まり色んな国籍、人種のゲーム好きが集まるのでイベント自体も多様性のるつぼか。
これは常々言っていることだがインディーズとしてゲーム開発の間口が広まり、世界中の
優れた作品を手軽に手に取り楽しむことができる現代は、ほんとゲーマーとしてありがたい時代だよ。
来年もまた是非、このアイディアの海とも言える会場に飛び込みたいものだね。