パルワールドが任天堂に訴訟されてしまった話: 私見

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以前にご紹介したパルワールド
色々危ない作品だとは思っていたが2024年9月、とうとう任天堂から訴えられてしまったようだ。

ただしキャラクターの類似性といった著作権ではなく、特許侵害に関する提訴だそうで何かシステム周りのことらしいが、今のところはどういった部分を訴えられているのかは不明。

今後詳らかになるといいのだけど。

※特許の侵害というのは裁判に確実に勝つため選んだ手段であって、実際は酷似している
 キャラクターを叩き潰すためという可能性は十分あると思うけどね。

 

どうも最近、グッズやアニメなどの展開を狙っていたのか、ソニーやアニプレックスといった大手と提携し、ライセンス企業を別に立ち上げたのだとか。

で、お目こぼししてもらっていたのを、さすがに調子乗りすぎだろと怒りを買ったのが今回の
訴訟の発端なのでは、という投稿を見かけたがなるほど。一理ある。

 

とはいえ問題とされた部分がまだ分からない以上、僕からそこに言及できることは現時点ではないのだが、僕はもうこのゲームを応援しないし、任天堂を支持することに決めた。

というのもこの会社の対応があまりにも不誠実で、「ちょっとあり得ないな」と思ったからだ。

 

 

タップ/クリックすると全文を読めるよ。

 

こちらが訴訟を受けてこの会社、ポケットペアが出した声明なのだけど
まあなんて言うか・・・被害者面が凄いよね笑

自分たちが特許を侵害している可能性は棚上げして、弱小企業であることを強調した上に
任天堂が訴えてきたせいで開発ではなく、余計なことに時間を割かねばならない ── と。

 

いやいやいや、他社の権利を侵害することに会社の規模は関係ないでしょうに。

それに余計なことに時間を割かねばならないのは、特許を侵害された(まだ裁判が始まってもいない現状では、確定とは言えないか)任天堂も同じことだろう。

と言うか向こうこそ余計なことに時間を割かれてしまう側ではないのか。

 

ここだけでポケットペアへの不信感は大いに高まったのだけど、さらにあり得ないと思ったのが次の一文だ。

 

ファンの皆様のため、そしてインディーゲーム開発者が自由な発想を妨げられ萎縮することがないよう、最善を尽くしてまいります。

 

ファンと他の開発者を盾にするなよ。

 

自分たちの権利侵害を責め立てられているのに、何をしれっと任天堂 VS 全インディーズ開発者の構図に持ち込もうとしてるんだ?

これを受けて信者たちも「任天堂がインディーズ界隈を潰そうとしている」などと吹き上がっているけど、何を言ってるんだよ。

 

任天堂は自社で期待のインディーズ作品を特集・紹介する番組を持っているほど、本来はインディーズに対して好意的な企業だぞ。

ただダラダラ映像を流すだけでなく、魅力をアピールしてくれる構成になっているので
僕は現在の最推し含め、色んな素晴らしいゲームにこの番組のお陰で出会えたので、任天堂のサポートにはユーザーの立場としても感謝しているよ。

それに(Mii衣装ではあるが)スマブラにまで登場したアンダーテールなんて、元はマザー2を
改造したものだし、本当にインディーズを敵視しているならこんなコラボはまず実現していないだろう。

 

 

 

そして自由な発想と言うが、他者(社)の権利を侵害する自由など存在しないんだよ。

強行することはできても、自由とは責任もまた常に付きまとうものであって、好き勝手やったもののそれが対象の逆鱗に触れてしまえば、やり返されたり批難されるのは当然なんだよな。

レイシストが掲げる言論の自由などもそうだけど、自由ってのは何をやっても許される免罪符などでは決してないからな。

 

いやもうほんと、ラインを踏み越えてしまった自分たちの落ち度を責められているのに、他の開発者さんまで巻き込み巨悪に嫌がらせをされるかわいそうな弱者、と印象操作をしようとしている卑劣な姿勢には反吐が出る。

 

過去記事でも紹介したようにキャラクターやシステムの類似性はともかくとして、ゲームとしての出来は非常に良いので僕は元々は本作のことを、割と好意的な目で見ていた。

(そもそもゲーム業界は暗黙の了解の下、パクりパクられは結構よくあることだしね)

しかしそんな自分から見ても ”危ない綱渡り” を続け、いざ咎められたら
周囲を巻き込んで被害者のように振る舞う・・・ここまで不義理な対応をされては、さすがに見る目は変わってしまう。

 

 

作品と制作者は分けて考えるべし、とはしばしば言われることだが、残念ながら僕にはそれはできない。実際過去に気に入ったものの不誠実な対応が原因で、続編を買わないことにしたゲームだってあるからね。

見ている世界が狭いと言われるかもしれないが、少なくとも自分が触れてきた中では
最大級の賛辞を贈りたくなるほど気に入った作品の製作者様や発信者様は、ゲームでも音楽でもジャンル問わず、いずれも人としても尊敬できる方ばかりなんだよな。

ということで、パルワールドとはここまでだ。

 

最初に貼り付けた声明、当社は東京を拠点とする~以降のくだりがなければ、どちらにも肩入れせず成り行きを見守るつもりだったんだがなぁ。

余計なことは言わずに「こういうことがありましたが、粛々と対応を進めて参ります。」程度に、当たり障りのないアナウンスに留めておけばいいものを、後ろめたさがあるからそんな必要以上に攻撃的になっているのでは? と邪推までしてしまうよ。

(そもそもこの時点ではポケットペア側はまだ訴状を受け取っておらず、何を侵害しているのかすら把握していないはずなのに)

 

対する任天堂の声明は淡々と事実だけを述べているの、さすが大手・・・というかそれが当たり前なんだよな。

ともあれゲームバランスを取るのは上手いけど、クリエイターとしてのバランス感覚は持ち合わせてはいなかったようで。残念なことだね。