【OPUS 星歌の響き サントラ】 Forgotten Sounds 考察、感想など

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やあどうも、Peter@peters_life0801です。

 

さて先日、何の前触れもなく突如としてOPUS 星歌の響きのアレンジサウンドトラック・Arrangements – Forgotten SoundsがSTEAM上で発売された。

どうやらフルブルームエディション一周年記念ということなのかな。

ツイッターで見るなり即買いし、内容も素晴らしかったのでピックアップしたいくつかの曲を、考察も所々交えながら紹介していこう。

なお、かなーり濃いファンというかガチ勢向けの内容になっているほか、本編のネタバレも含んでいるためクリアしていない方はご注意を。

何のことやら分からない箇所は、最後にリンクを貼ってある考察記事を読めば分かるかもしれない(宣伝)。

 

ストアページの商品説明によればこのサントラは、万道神話の叙事詩を再解釈したアレンジが特徴だとのこと。

さらに楽器には世界各国の・・・訳がちょっと自信ないけど民族楽器かな?
それらを使って演奏しているんだってさ。

 

星歌の響きに関する新コンテンツはもうないと思ていたので、これはとても嬉しい。

クリアした後だとカバーイラストでもう泣きそうになる。

 

 

 

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1: Old Steps

直訳すると古い歩み、もしくは老いた歩み。

この曲名は白龍を行く年老いたリバクと、序章で彼が口にした
『あの時一緒に歩くのが叶わなかった道』をかけているのだろうか。

あるいは本アルバムのコンセプトを見るに、遥か昔から続く時間の流れを表しているとも取れる。

 

 

 

Lumen is Everflowingのアレンジかな。他の曲の要素も入ってる?

初めて聞いた時に何が驚いたって、男性ボーカル付きなことだよ。
リバク・・・ラミアに哀れまれるほどの音痴じゃなかったのかお前。

エイダと一緒に歌うために練習したんだと考えると泣けるね。

まああのシーン(※)は今まで歌う機会がなかっただけで、才能自体は本来あるのかもしれない。

リバクは乙皇の生まれ変わりだと考えられるけど、歌の力は元々は乙皇が持っていて地母に授けたものだそうだからね。

 

凄く良い曲なんだけどいささか短い。
序曲だからなんだろうけど、長いバージョンも聞いてみたいね。

 

注:あのシーン
兎の巣Ⅲで歌うフリーイベントで見ることができる。
リバクを参加させると失敗となり、ラミアが憐れむレベルの音痴であることが発覚する。

 

 

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2: A Witche’s Grandiose Starsong

元の曲はGrandiose Witche’s Starsong. ゲーム内のアイテム名では雄大な巫女龍鳴。

作中ではエイダの歌は最後に流れる二曲を除き、声のみで楽器は使われていないので
このアレンジでは必然的に曲の厚みが大幅に増している。

掠れ声の巫女龍鳴に続き、リバクにとっては二番目に聞くこととなったエイダの歌。

アイテムの説明文では初めて聞いた歌声とは違い、古代神話を彷彿とさせる明瞭で雄大な歌声なのだとか。

 

各巫女龍鳴の説明を見てもエイダって、口ではずっと追いついてみせると言っていたけど
終盤は巫女としての能力は絶対お師匠を追い抜いていたと思う。

まだ若いこともあって人間性は未熟な面もあるけれど、それも第五章の終わりで超えたのかなと。

※紅、エイダ共に大切な人を捨てざるを得ない状況に追い込まれるが、紅は突き放すことで
 守ったのに対し、エイダは優しい嘘で守ったことがそれを示しているのではないかな?

 

エイダの歌唱力がみるみる上達していったのは、乙皇の生まれ変わりであろうリバクに出会ったことで抑えつけられていた(のどの病。六山諸神の呪い?)能力が覚醒したのかもしれない。

 

そう考えると初めて会った時のものを除けば最初の巫女龍鳴であるこちらもまた、重要な歌であると言える。この雄大な音色に歌声は、枷を解かれたことを表現しているのではないだろうか。

 

 

3: Give Me Your Hand, Young Master

曲名は手を貸してください、若き船長といったところ。
原曲はStep Forth, Young Master。

二曲目となるリバクの歌。

 

 

画像のチョイスがおかしいって?
いいんだ、今回ラミア要素ないから無理やりねじ込むんだ。三人はいつも一緒にいてほしいから。

 

物語内におけるターニングポイントの一つ。
ここでリバクが助けを求めていなければ、三人の人生は大きく変わっていただろう。

リバクとエイダは乙皇と地母の生きた道をなぞっている節がある。
ならばこのシーンも古代神話に通ずるものがあるんだろうか。

 

万道帝国の樹立は乙皇の力ありきで、地母はただの理解者・協力者だと思っていたんだけど・・・精神的な拠り所以上の存在だったのかも?

例えば彼女は古代人の長で、乙皇が上に立つには地母の協力が不可欠だったとか。

 

※考察記事で述べているが、僕は乙皇は古代人とは別種の生命体であると考えている。
 気になる人は最後のリンクからチェックしてみてね。

 長いので該当箇所だけ読みたい場合は、目次の古代人の身長および乙皇の謎をクリックしよう。

 

曲自体も運命が大きく動き出したような、幕開けだとか予兆のようなものを感じさせる音色だし。

 

 

4: Dark Eastern Tides

Riverをベースとした物静かなメロディから始まり、緊迫感ある激しい曲調に変化して最後は雄大な巫女龍鳴で〆。

 

曲名は暗い東方の潮流・・・考えればもうちょっと良い訳し方できそうだけど。

英語では瀛海はEast Oceanという名称なので、この曲名は内乱状態にある鳶家を指しているのだろうか。

 

龍脈を召し上げられ、やがて当主でも抑えられないほどに家中の不和が広がっていき、リバクは逃げるように瀛海を去る。

最後にエイダの声が流れるのは彼女と出会ったことで希望の光が差し込み、立ち込めた暗雲が晴れ始めたことを意味しているといった具合かな。

 

リバクが瀛海を逐われエイダと出会うまでを描写した曲だと解釈した。

 

 

8: Weightless Myria

無重力の万道。うーん、これも何かもうちょい洒落た訳にできるはず。

ちょっと話は逸れるけど翻訳家の凄いところって、直訳とは全然違うのに同じ意味で通ずる、ずっと素敵な言葉を見つけ出してくるところなんだよ。

簡単な文章ならそりゃ僕にだってできるけど小説とか映画、ゲームの翻訳ともなるとこの曲名のように訳が難しいものが無数にある。各単語自体は簡単でも、自然な日本語にできないようなものは多いからね。

 

日常会話程度ならできるので翻訳も余裕とよく思われるんだけど、英語は英語として
理解しちゃうので、いざ訳せと言われてもすぐには日本語にはできないのさ。

他の話せる人も多くがそうなんじゃないかな? だから通訳とかも凄いなって見る度思ってる。

 

極めて丁寧なローカライズも本作を名作たらしめている要因の一つなので、まったく関係のない話ではないか。なかなか表には出てくることのないポジションだけど、尊敬しちゃうよな。

 

閑話休題。

原曲はBrilliant & Gentle Witche’s Starsong. 
ゲーム内のアイテム名では霊光の、および温和な巫女龍鳴だがWitche’s Starsongの文字が消えている通り、このアルバムでは歌ではなくなっている。

英語でも日本語でも意味は同じ。
元の曲名の通り神秘的で優しい音色が印象的。

 

多くの謎を残したまま消滅した、未知なる文明への思い馳せてしまう──そんな一曲だね。

 

 

9: If It’s With You

 

If It’s With You, Then I Would Love to See Itのアレンジ。

複数の曲を組み合わせたり、新しいパートを追加したりと
大胆な変更が多い中、これは楽器を変えただけの素直なアレンジ。曲名も含めてね。

 

元の曲は自分を責め続けるリバク、そして同じく過去に傷を持つエイダの
心の痛みを表したかのような繊細さや、互いが歩み寄り始めた温かさを描写したような曲だ。

 

このアレンジでは原曲の良さを生かしつつも、荘厳・壮大さを感じさせる編曲になっている。

それはさながら無限に広がる宇宙の広さや、神秘的で悠久なる古代万道の歴史、そして遥か昔から続く二人の関係のように。

 

元より非常に完成度が高くファンの間でも人気の一曲なので、下手なアレンジは逆効果になりそうだが、見事に新たな魅力を紡ぎだしているのはさすが。

一万年もの間すれ違い続けた乙皇と地母がついに再会し、その仲を深め始めた一幕であると考えると、この雄大なアレンジはごく自然なものであると言えるね。

 

曲名の後半部分を外し、『もし君と一緒なら』という意味に変更されているのは
乙皇と地母をも内包するアレンジだからなのだろうか。

 

 

10: Neverlasting Paths

Neverlastingってのが多分一般的な言葉じゃない(新語?)んで合ってるかどうか不安だけど、永遠に続くことはできないだとか、少しの間だけ続くものって意味らしい。

pathは道のことなので束の間の道、とかそんな感じか。

ともあれリバクとエイダ、そして乙皇と地母が共に過ごすことのできた時間を指している曲名なのだろう。

 

元の曲は主題歌・Echo of Starsongのサビに入る前のパートかな。
男性と女性、つまりリバクとエイダの歌声が交互に流れ、最後は重なるという演出は必然的に本作のラストシーンを想起させる。

終章でリバクが呼びかけ続け、理気を通してエイダはそれを感じ取り、最後は一緒に花の海を見た・・・あの場面が浮かび上がってくるようで、本アルバムで最も心に刺さる曲の一つだ。

 

 

 

別の記事でも述べているけど本作のエンディングは悲しいようで、引き裂かれた恋人たちが
一万年越しに再会し、魂の安息を得ることができたと解釈できるので、実はハッピーエンド。

Neverlasting(束の間)からEverlasting(永遠に続く)へと変化したわけなのさ。

 

 

12: Our Lives are Connected

曲名は直訳すれば私たちの命は繋がっている、つまり一蓮托生。
熱心なファンなら即座にこのシーンが頭に浮かぶことだろう。

 

運命を共にしたいと願っても、乙皇にしろリバクにしろ前者は民を、後者は一族を
導く必要がある立場上、別れてからも生き続けなきゃならなかったんだよね・・・。

 

The Flowers are there…Are Always in Fullbloomをベースに色んな曲が混ざっている感じ。

序盤の優し気な音色は二人で過ごした時間を、サビは時空を超える壮大な恋物語を。
そして物静かに、消えゆくように終わっていく最後は、白龍で安らかな眠りにつくリバク(乙皇)とエイダ(地母)を表しているかのよう。

 

星歌の響きという作品をひとまとめにしたかのようで、本アルバムの最後を締めくくるに相応しい一曲だね。

 

 

まとめ: 星歌の響きの世界を広げる最高のアレンジ

 

何度も息を吞んでしまうほど心を奪われた。
部分的に曲調を変更したり、複数の曲を組み合わせることで音楽に物語性を生み出しているのが素晴らしいね。

原曲がBGM(バックグラウンドミュージック)の文字通り、物語を盛り上げる名わき役であることに対してこのアルバムでは音楽で物語を描いているわけだ。

 

曲に合わせて数々のシーンが自然と脳裏に蘇ると同時に、大いなる時の流れを感じさせる壮大なアレンジは、古代から続く二人の恋を思い起こさせた。

考察しない限りは万道神話はあまり表には出てこない。

しかし乙皇と地母は実は、隠れたもう一人の主人公とヒロインであること、そしてリバクとエイダに共通する部分を意識しながら聞くと、このアルバムの曲がより心に響いてくるだろう。

商品説明の万道神話の再解釈とは即ち、リバクとエイダの人生を追うことだと思うんだけどいかがだろう?

 

壮大で奥深い星歌の響きの世界観を一層広げてくれる素敵なアルバム、ファンならば是非聞いて頂きたい。

 

P.S.
念のため言っておくけど、べた褒めはしているがこのアレンジと元の曲、どちらがより素晴らしいとかはないからね。

まったく趣の異なる魅力を持っているので、それぞれに良い部分があるってわけだ。

この作品の新たな魅力に触れる機会を与えてくれたSIGONO、そしてYK band様に感謝したい。