【評価/レビュー】 スクウェアのトム・ソーヤ 【スクエニ黎明期の怪作】

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こんにちは、Peter@peters_life0801でっす。

 

本日はこんなレトロゲーをご紹介してみよう。

その名は1989年発売の
スクウェアのトム・ソーヤ


機種はファミコン。

 

そう、タイトル通りファイナルファンタジーなどで有名なあのスクウェア(現スクウェア・エニックス)から発売されている。

わざわざ社名をタイトルに付けちゃっているのは、当時すでに別メーカーからトム・ソーヤーを題材にしたゲームが発売されていたためなんだとか。

そちらはアクションゲームでしかもぶっちゃけ、あんまトム・ソーヤー関係ない内容なんだけど・・・まあ今は置いとこう。こいつもいずれ紹介するつもりさ。

 

2019/04/12追記:アクションの方も記事にしたよ!

 

ちなみにトム・ソーヤーとはそのまんま主人公の名前なんだけど、本作では何故かソーヤと表記されている。

上で挙げた他のゲームやアニメではみなソーヤーなんだけどね。

 

 

そうそう、若い世代は知らない人が多いかもしれないなので説明しておこう。

トム・ソーヤーとは1876年に発表されたアメリカの古い小説で、
正式なタイトルは  The Adventures of Tom Sawyer  
邦題が トム・ソーヤーの冒険

 

世界名作劇場枠で1980年にアニメ化。
再放送見て育ったなぁ。僕が小学生ぐらいの頃に結構人気があった作品だったね。

 

 

お気に入り度:★★★☆☆

 

 

どんなゲーム?

当時ドラクエ型のRPGが主流だった中、独自の色んなヘンテコなシステムを満載した怪作。

 

取り分け目を引くのは戦闘システム

HPやダメージに小数点があるのは恐らくこのゲームぐらいだろう。

0・5のダメージをあたえた! とか多分、他のゲームでは見られないよね。

 

戦闘画面は画面手前に主人公一行、画面奥に敵がいるという所謂ドラクエ型。

自キャラが表示されているので、SFCの大貝獣物語や天外魔境ZEROにより近いかな。
この構成かつFCで自キャラたちが表示されるRPGは結構珍し・・・いかも?

 

他と決定的に違うのは、敵が豆粒大のシルエットで表示されていること。

めっちゃ遠くにいるっていう感じだね。
なので味方の攻撃は、漫画的演出の土煙を上げながら画面奥へ走っていくアニメーションになっている。

逆に敵は攻撃時に画面手前までやってくるので、その時に初めてグラフィックと名前が表示される=何と戦っているか分かる、ということになるわけさ。

 

スクショ用意できれば説明しやすいんだけどなぁ。

 

 

画面の構成も独特

移動画面はこれまた当時一般的だったドラクエなどに代表される、空から見下ろしたような視点ではなく縦に狭く横に長い独特の構成。

他のジャンルになるけど、ダブルドラゴンやファイナルファイトみたいな感じかな。
ベルトスクロールアクションよりかはさすがに横も短いけどね。

 

 

RPGの ”お約束” が無い

舞台が現実世界なんで魔法なんてものはない(敵は使うけどな!)。

装備すらない。

っても、PS2辺りぐらいかなぁ。一時期装備が無いRPGってちょくちょく出てなかったっけ?

このゲームはめっちゃ時代を先取りしていたのかもしれない。

 

お金すら無くそもそも売買という行為が存在しないしね。

宿屋も無く回復は特定の人物からもらえるアイテムによる全体完全回復のみ。
もち、戦闘中には使用できない。

 

一個だけ戦闘中に回復できるアイテムがあるけど、隠し要素っつーね。

このゲーム、色々おかしいんだけどこういうアンバランスさも迷作たる所以なのだ。

 

 

リセットボタンを押す敵の存在

こいつはかなり有名なのでは?笑

 

はい、文字通り

本作にはファミコン本体のリセットボタンを押す敵が登場する。

 

発動したら有無を言わさずタイトル画面に戻されるのだ。

小数点まで存在するダメージ表記の他、こんな技を使う敵も恐らく他のゲームには存在しないだろう・・・

いや、してたまるか。

 

 

こう書くと最恐の敵のように思えるが発動までには数ターンかかる。

「おしちゃおうかな~、どうしようかな~」

みたいな怪しげなセリフを呟き続けるので、対処は実は容易だったり。

何だかんだ使われたことはないね。

 

※こいつの亜種としてセーブデータを消す敵がいるという噂が出回っているが、こちらはデマらしい。

 

 

良かった点

グラフィックがきれい

ファミコンで戦闘画面に自キャラのグラフィックが用意されてるというのが結構珍しいし、ダメージを受けた時や逃げている時のグラフィックまであるというのは凄いのでは?

大きいキャラを表示するのが難しかった時代なのに、そのキャラグラフィックも大きめだしね。

戦闘以外でも、ステータス画面や会話時に表示される顔イラストが用意されていたり、とにかくグラフィックのパターンが豊富だ。

 

キャラグラフィックのみならずフィールド画面も良い感じ。
昔のアメリカの田舎町やミシシッピ川の雰囲気が上手く表現されている。

 

 

豊富なパーティメンバー、特殊な成長システム

仲間になるキャラは主人公を含め全11人。
その一人一人に上で挙げたよく描き込まれたグラフィックが用意されている。

固有グラありでこんだけ仲間キャラいるのも凄いんだよなぁ。

 

そして本作には経験値やレベルという概念が存在せず、敵と戦うことで自キャラは少しずつ成長していく。

後のロマサガに近い成長システムと言えるかもしれない。

しかし・・・。

 

気になった点

キャラごとに設定されている成長限界

良い点で挙げた豊富なパーティメンバーと成長システムだけど、実は戦えば戦うほど強くなるわけではなく、

キャラごとに成長できる能力値には限界値が定められている。

 

弱いキャラと強いキャラでは最終的な能力値に大幅な開きがあり
例えば序盤に仲間になる紅一点のエミーでは、終盤の敵には限界まで育成してもとても歯が立たないため、キャラ愛で使い続けることもできない。

 

個性豊かな色んな仲間キャラクターがいるのに結局、最終パーティは固定されているようなものなのは極めて残念。

 

 

難易度は全体的に高め

これは本作に限らず昔のゲームには多いんだけど、敵が結構強いのもあるし、次にすることや行く場所などのヒントが少なく難しめ。

縦に狭く横長の独特のゲーム画面も、マップ同士の繋がりが分かりにくくて迷うことが多いしね。

 

実は少年当時はクリアできず、大人になってからクリアしたゲームだったりする。

ま、常人にはクリア不可能なゲームがゴロゴロあったような時代なんで、そういうのと比べたら全然良心的だろうけど。

 

 

戦闘が単調

魔法もしくはそれに代わるシステムが無いので、基本的にステータスを上げて殴るだけ。

キャラごとに異なる効果を持つスペシャルコマンドなるものが存在するが、使用する価値が無いもしくは、使うと逆に不利になってしまうだけの意味不明なものばかり。

(他の仲間が全員逃げてしまうなど。その状態でやられるとゲームオーバー)

 

 

 

まとめ

ファイナルファンタジーなどで有名になり始めた当時のスクウェアが生み出した、奇想天外なゲーム。

コミカルな雰囲気や斬新すぎるシステムの数々が、今でもカルト的な人気を誇っているとかなんとか。

 

この時代は遊び心があるって言うか、変なゲームが多かったんだよね。

昨今はある程度の面白さが保証されてる優等生的なゲームが多いんだけど、こういう尖りまくった作品はあんまり見かけない気がする。

ユーザー的には変なもの掴まされる心配が減ったので、ありがたいことなのかもしれないけど笑

 

本作を評するならば、名作ってよりは 迷作 と呼ぶべき作品かな。

僕は結構好きだけど当時からかなり人を選ぶ内容だったと思う。
お気に入り度は真ん中の3つ星にしてあるけど、良いとか悪いで評価できるゲームじゃない気がするなぁ・・・。

 

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