【映画感想】  青春18×2 君へと続く道  【日台合作映画】

どうもこんにちは、Peter@peters_life0801です。

2024年5月3日より放映開始となった映画・青春18×2。僕は基本的に映画は見ないのだが、この作品は気になっていて必ず見に行こうと心に決めていた。

というのも制作に、僕が人生で一番好きなゲームであるOPUS 星歌の響きを制作した、台湾の開発チームであるSIGONOが協力しているからだ。

※主人公が制作したゲームのIP提供ほか、ストーリーへのアドバイスなど

 

そんなわけで本記事は普段映画を見ないゲーマー、そしてOPUSシリーズファンの目線で書いているため、ちょっとおかしな内容かもしれない。映画の論評なんてやったこともないしね。

ただひとつ、確実に言えるのは心を打つ素晴らしい作品だったこと。
これだけは自信を持って言える。

 

なお本作および星歌の響きに関するネタバレを含んでいるため、ご注意くださいませ。
後者に関しては全体の流れを知っていないと分からないよう、ぼかしたつもりだけど。

 

あらすじ

素人の文で説明するとかえってややこしくなりそうなので、公式サイトより抜粋。

 

あの時、想いを伝えていたら未来は変わっていただろうか。

始まりは18年前の台湾。カラオケ店でバイトする高校生・ジミー(シュー・グァンハン)は、日本から来たバックパッカー・アミ(清原果耶)と出会う。天真爛漫な彼女と過ごすうち、恋心を抱いていくジミー。しかし、突然アミが帰国することに。意気消沈するジミーに、アミはある約束を提案する。
時が経ち、現在。人生につまずき故郷に戻ってきたジミーは、かつてアミから届いた絵ハガキを再び手に取る。初恋の記憶がよみがえり、あの日の約束を果たそうと彼女が生まれ育った日本への旅を決意するジミー。東京から鎌倉・長野・新潟・そしてアミの故郷・福島へと向かう。
鈍行列車に揺られ、一期一会の出会いを繰り返しながら、ジミーはアミとのひと夏の日々に想いを馳せる。たどり着いた先で、ジミーが知った18年前のアミの本当の想いとは。

引用元:https://happinet-phantom.com/seishun18x2/#introArea

 

要約すれば36歳にして挫折を味わった主人公が、初恋の人を訪ね日本を旅する中で己の人生を振り返り、見つめ直す ── といったところか。

 

 

OPUS 星歌の響きとは

言及されていないがこの映画に大きな影響を与えているのでは、と思われる作品。

原作は青春18×2 日本慢車流浪記という紀行エッセイなのだそうだが、タイトル的に恋愛要素はなさそうだし・・・和訳されたものが現状存在しないため内容は確認できない。ともかく映画全体の流れはこの作品によく似ていたのは確か。

 

人類が地球を捨て、宇宙で暮らしている遠い未来世界の物語。
ひょんなことから出会った主人公・リバクとヒロインのエイダは共通の目的を持っていたことから、紆余曲折を経て一緒に旅をすることになる。

お互い過去の出来事から心に癒えぬ傷を持っており、似た境遇であることや、数々の困難を共に乗り越えていくことで次第に惹かれ合っていくのだが ──

 

ざっくり言えば、宇宙の片隅で起こった事故で生き別れた恋人たちが、約束を果たすために66年後にもう一度会うお話。

※別れの物語であることはトレーラームービーおよび、ゲーム開始直後から分かることなので
 ここで書いていることはネタバレではないよ。

台湾のゲームだが日本人の翻訳家が訳して下さっているので、文章は違和感なし。優れたテキストが物語を一層引き立てる。

 

アドベンチャー、もしくはビジュアルノベルというジャンルで物語を楽しむのがメイン。
複雑な操作も無いので普段ゲームを遊ばない人でも、あまり難しいと感じる場面はないはず。

1000以上のゲームを遊んできた筆者が最も愛していて、唯一声が抑えきれないほど泣いてしまった作品なのだ。ほろ泣きする作品にさえも滅多に出会えないのにね。

 

ニンテンドーSwitch、Xbox、PC、iPhoneで配信中。多くの機種に対応しているほか、お値段も2680円とお求めやすくなっているので是非。

 

 

地球版・星歌の響き

OPUSファンは大体の人がこの見出しのような印象を持つのではないだろうか。

現代と過去、交互に場面が切り替わりながらクライマックスへと収束してゆく手法は他作品でも見かけるのでともかくとして、

・愛し合っているけれど一緒にいることができなかった男女

・見せたいものが故郷にあった

・主人公を傷つけないために嘘で突き放そうとするヒロイン

・長い時を経て、約束を果たすために再会する

 

などなど共通点は数多い。

もちろん細かな流れや舞台設定は全然違うのだが全体的な流れ、そして温かくも切ない物語はまさしく星歌の響きだった。

だから僕は途中からジミーとアミをリバクとエイダに重ねていたし、結末もどうなるのか予想はついていて実際に的中した。

 

ゲームの方を知っていた人は、少し違う楽しみ方ができたのではないかなと思う。
逆に知らなかった人はどう思いながら見ていたのか、自分は知ることはできないのは残念だ。

 

宇宙の果てにある古代遺跡にて、理気と呼ばれるエネルギー体が花吹雪のように舞う光景を眺める二人。
ランタン祭りの幻想的な光景はこのシーンと重なったな・・・。二人の仲が決定的に縮まる、重要な場面であるという意味でも共通している。

 

みんな暖かい、優しい世界

決定的な違いはここだろう。星歌では時代背景もあって基本的に他人は信用できない世界。
しかしジミーは旅の途中、行く先々で色んな人と出会うが皆一癖あるものの快い人物ばかりだ。

彼/彼女らのふとした言葉が大切な思い出を呼び起こさせ、出会いはまた次なる出会いを呼んでいく。コウジとの会話が無ければきっと、ジミーはネカフェを訪れてみようだなんて思うことはなかっただろう。

 

一人一人の登場時間は決して長くはないがただの脇役ではなく、誰が欠けてもジミーの旅は完成しなかったのではないかと僕は思う。本人たちは意図していないにしろ、ジミーの埋もれかけていた、大切な記憶を呼び覚ましてくれたのだから。

最初はアミの故郷を訪れるのを躊躇っているようにも思えたし、
(松本の居酒屋で出会った同郷の店主に、ここは目的地と逆じゃないかと言われ言葉を濁している)
この人たちと会っていなければ心の整理がつかず、向き合うことはできていなかったのではないだろうか。

 

全体を通して優しいぬくもりの感じられる作品だったが、これは主人公とヒロインだけが作り上げたのでなく、こうした旅の中で出会った人々、家族、そしてバイトをしていたカラオケ店のみんな・・・すべての登場人物がいるからこその産物なのだ。

 

 

まとめ

もしかしたら見落としてしまったのかもしれないが、確か作中に登場するジミーが制作したゲームにOPUSシリーズの中で星歌の響きだけがなかったはず。

(本当に見落としていただけなら申し訳ない)

しかしスタッフロールの中にはしっかり、龍脈常歌 ─星歌の中文版タイトル─ が含まれていた。

最後にジミーは一人だけで働く小部屋からやり直そうとするシーンが挟まれるが・・・
この後に自分の体験をもとに星歌の響きを生み出し、再起を果たすんじゃないのかなと想像してみたり。

 

それにしても良い作品だった。最後の方は泣くのを必死に堪えていたが、一人だったならば多分泣いていただろう。若い女性が結構来ていたのだが終盤は鼻をすする音が多く聞こえ、上演終了後には友人と一緒に泣いている人もいた。

単純に切ない物語だからというだけでなく、本作は旅という言葉に焦点が当てられていたのもポイントだ。人生を旅に準えており過去を振り返りながら彷徨うジミーの姿は、ずっと後悔していることがあったり、何かに悩み続けている人の心には強く訴えるものがあったんじゃないだろうか。

このままでは駄目だと思いつつ、新しい一歩を踏み出せば案外上手くいくかもしれない。
僕自身も後悔や悩みの尽きぬ日々を送っているが、そんな自分の人生を振り返ってみるきっかけを、この映画から与えられたような気がする。

 

さておき見終わったのが深夜(21:20上演開始)だったのもあってか、帰宅して床に就いた後もこの映画、そして星歌の響きと重なる部分など、両作品の様々な名場面が脳裏から離れず一睡もすることができなかった。

これは強烈に感情を揺さぶられる作品に出会った時にしばしば起こる現象で、星歌をクリアした時もしばらく不眠症になったものだ。つまりこの作品もまた、鮮烈に自分の心に刻まれたというわけだ。

 

OPUSファンだけでなく、人生に疲れてしまっている人にも視聴を強くおすすめしたい。
そして映画を気に入った人は未プレイならば是非、ジミーが制作したという設定で作中に登場した、OPUSシリーズを遊んでみてほしい。どちらの立場からでも、きっとそれぞれの作品を気に入るはずだ。

 

【評価/レビュー】  OPUS 星歌の響き  【魂を揺さぶる一作】

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