【二周年記念!】  OPUS:星歌の響き サブキャラたちを熱く語る記事

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やあどうも、Peter@peters_life0801です。

 

2023年9月1日をもって、現時点で自分が人生で一番愛している作品・OPUS 星歌の響きが二周年を迎えた。

昨年はメインキャラの三人を掘り下げる記事を書いたので、今年はマイナーな人物も含めサブキャラたちに焦点を当ててみようと思う。

 

多分文字数、記事数共に世界一この作品を取り扱っているサイトなんだが、新たに約1万4千文字追加だ。

 

現時点というか何となく、これ以上惚れる作品に出会うことは今生ではもうないかなって思っている。

趣味がゲームだけに色んな作品に触れてきた方だと思うけど、クリアから一年以上経ってもなお、熱がまったく冷めない作品なんて今までなかったしね。

今でも好きな、思い出の古いゲームは勿論あるんだけど、いずれも当時ほどの熱量はさすがにないし
クリア後も頻繁に起動して思い出に浸ったり、考察を続ける作品なんてもう再び出会える気がしないものな。

 

 

 

 

今年描いた記念イラスト

ここは自己満、自分が描いた絵の紹介なので飛ばしちゃってもOK。

 

 

 

去年の記事でも書いたと思うけど本作に触れるまでは、学校の授業でぐらいしか絵をまともに描いたことはない。

本作にこの上なく感動したあまり、言葉以外でお礼を伝えたいと思っていたところへ当時、発売一周年が
迫っていたことを知ってファンアートを描いてみようか、と思い立ったのがきっかけ。

この一年、独学で学んで描き続け、少しずつだが上手くなってきている。

 

 

今回の絵は交差する腕が凄く大変だった。
お互いの手ではなく腕を握り合うというのは本作ならではのポーズだし、しかも二人でなく三人。

握手ならいくらでも、そして二人だけならゲーム内のイベントスチルがあるが、これは参考にできる画像が全然ないのでめちゃくちゃ悩んだ。

 

交差した腕ってどうなるのかよく分からなかったり(頭の中で朧気には分かるが絵にできない)、混乱して手首が逆になってしまい後で気付いたり。

だから腕を上下で重ねているのは苦肉の策。
本当は握手のように交差させた方が自然なのは分かってはいるんだけどね。

 

思い描いたポーズをとってくれるマネキンでもいてくれりゃなあ、といつも思う。

ま、苦労苦労の末に生まれただけに尚のこと愛おしいんだけど。

 

三人同時に描くのも大変。
人数が増えるほど思い描いたポーズでキャンバス内に収めにくくなるし、何より塗りの手間が増えるし、体格差の表現も私的には結構難しい。

でもこの三人はできる限り、いつも一緒にいさせてあげたいので節目のファンアートはそこだけは妥協したくない。

 

 

さておき、二周年おめでとうございます!

では本題へ参りましょうかね。

 

 

 

 

ローレンス=ホワイト(白い牙)

 

 

廃棄された鉱山を拠点としているマフィアで偽の龍脈情報を流し、罠にかかってやって来た探査者の身包みを剝いだり密輸で生計を立てている悪党。

・・・なのだが多くの部下を食わせるために、仕方なく悪事に手を染めているに過ぎず
また、殺しや麻薬はご法度らしいので、彼なりの美学に基づいて節度は守って生きている。

リバクとカイトには躊躇なく引き金を引いているが、もし彼らが賞金狙いとかだった場合、下手打つと全滅しちゃう一幕だったのであれは仕方がない。

 

山塊地方全域を巻き込んだ龍脈大戦では、民衆から尊敬を集めたほどの優れた兵士であり
マフィアに身を落とした今もなお、陰ながら彼を慕う者は多い。

一大勢力を築き上げ、莫大な懸賞金をかけられながらも摘発されないのは
裏から多くの現地人が協力しているのが大きな理由らしい。

郷土愛に溢れる男のようで戦後、龍脈を求める無法者で溢れ返ることになってしまった山塊の現状を嘆いている。

※メールで義賊を名乗っていたり、ラーマが自分たちの面倒を見てくれていると言っていることから
 巻き上げた金は自分たちの資金にするだけでなく、山塊の貧しい人々へも分け与えているっぽい。

 

 

作中での台詞から、初登場時ですでに実は良い人であることが分かる白い牙に対し、彼の部下たちは無法者そのもの。

プレイヤー視点では良い印象は受けない連中だが、山塊が龍脈発見によるゴールドラッシュを迎えるまでは
貧しい地域であったことを考えると(本編でも貧富の差は激しく治安も良くないが)、恐らくきちんとした教育を受けられなかったはずだ。

高名かつ頭の切れる白い牙一人ならば食い扶持はいくらでも見つかるのだろうが、荒事以外には生きる術を知らない手下たちを見捨てることができず、マフィアに身を落とさずにはいられなかったのだろう。

 

 

ゲリラ戦を得意とし、奇襲によって鉱連に大打撃を与えたこともある名将。
白い牙という異名はホワイトという姓と合わさり、ここから来ているようだ。

突如現れ、急所に鋭い牙を突き立てる戦法は正に白い牙と言える。

 

収監されたにも拘らず刑期短縮を餌に調査任務へ駆り出され、一個小隊まで任されている辺り
軍備増強に勤しんでいた鉱連は、優秀な兵である彼を懐柔して自軍へ取り込みたかったらしい。

しかし第二次龍脈大戦では末期に再びゲリラに戻り、そのまま姿を消してしまう。
まあ、この人はどれだけ金積まれても鉱連にはつかないだろう、絶対。

戦争は鉱連が勝利したと推察できるため、追い詰められたレジスタンスから分離し、彼の指揮のもと遊撃隊として正規軍を陰からサポートしながら、最後まで抵抗したのかもね・・・。

 

 

X(ツイッター)で交流のある方含め、熱心なファンを結構見かけるので
メインの3人を除くサブキャラ勢ではトップクラスに人気がある模様。

 

冷静沈着で渋い大人の男かと思えば、リバクとの文通では変に子どもっぽいところがあったり人間臭くて好き。

段々心を開いてくれ、最初は命を狙われていたのにその後、何度も彼に救われ良き友人になる。
この関係性、すっごく良いよね。

 

白龍に行くリバクたちを応援してくれ、瀛海に戻る前に一緒に酒飲もうぜって
誘ってくれるメールは、出会った頃を思い返せば読んでいて涙が出てくる。

 

 

 

 

カイト=ブラン

鳶家の内紛にて仕えていた主を失い、墓前で悲嘆に暮れていたところを幼少期のリバクと出会う。

当初はうっとうしいガキとしか思っていなかったようだが、弱い人を守りたいという
リバクの純粋さに心打たれ、彼に絶対の忠誠を誓う護衛となった。

 

 

身体能力、知力、胆力などなど、およそ軍人として必要とされる全ての能力に秀でており
鳶家当主から直接スカウトされたり、敵対した刺客からも尊敬されている様子から、極めて優秀かつ名高い兵士であったようだ。

しかしリバクの短慮により白い牙の銃弾に倒れ、その傷が元で亡くなってしまう。

 

主人を守って死ねたのは彼としては本望なのだろうし、あの状況で経験の浅いリバクに
適切な判断を求めるのも酷というものだろうが・・・もっと共に旅する姿を見たかったものである。

 

一周目では全く感じなかったが、二周目以降では当初感じたよりも退場が早いことに気付かされる。

序盤はエイダがやや大人びているものの、リバクもラミアもみんな未熟。
登場期間は短くとも、彼の存在はそれだけ大きなものだったと印象付けられていたんだろう。

死後もしばらくは回想でいかに彼に助けられていたか、というシーンが数回挟まれる影響も大きいか。

 

 

もしカイトが生きていたなら、その後の展開は大きく変わることになったはず。
判断力に優れた彼は良くも悪くもチームのブレーキ役となり、一行が白龍を目指す道は恐らく途絶えてしまっていただろう。

 

ハッピーエンドを実装するなら必須の条件として話す方もいたのだけど、僕は作のエンディングはあれでこそハッピーエンドだと考えているので、IFとしてこのルートを用意されたとしてもあまり見たくはないかも。

(ちょっと失礼な、反論するような言い方になってしまって申し訳ございません)

 

それにカイトの死はリバクの成長に大きく寄与したのは間違いないので、自分の失態が招いてしまった、大切な人との別れがなければ未完の大器のまま終わってしまうような気がする。

序盤のリバクはカイトの支持なしでは動けないかと思えば、考えなしに突っ込んでしまったりなかなかヤバいもの。

 

 

ともあれハッピーエンドと考える理由は、乙皇&地母の項で簡単に、他には記事の最後の方にリンクを貼っている考察記事で説明しているので是非。

 

 

 

 

葛葉紅

回想にしか登場しないものの大好きなキャラクター。
エイダだけでなくラミアとのからみも見たかったので、そこだけは残念。

 

巫女として卓越した能力を持っており、かつての龍脈大戦では多くの者を死に追いやった経験から
贖罪として行き場も身寄りもなかったエイダ、後に出会ったラミアらを引き取り、我が子として育て上げる。

 

一切笑顔を見せず作中では一貫してエイダに対し、冷たい印象すら与える厳しい態度を取り続けているが、それはただ愛情表現が苦手なだけ。

そもそも本当に冷たい人間ならばいくら罪滅ぼしとはいえ、孤児を二人も引き取って育てたりなどはしないだろう。

 

別れ際には縋りつくエイダへ、彼女にとってトラウマであろう名を口にしてなじるが、これは愛が深いからこそ危険に巻き込まないよう突き放すための言葉だったのだ。

 

 

白状するとこのシーン、初見プレイ時は一瞬だがお師匠は本当はろくでもない奴なのだと思ってしまった。
エイダが記憶の中で美化していただけっていう、救いのない話なんじゃないかと。
幸い、すぐ真意に気付けたけど。

改めて見ると凄く悲しそうな表情してるし、腸を引き裂かれる思いで放った一言なんだろうな・・・。

愛しているからこそ自分のことは忘れろ、もう追うなと。
いつも冷静なのに、ここだけ声がちょっと上ずってるのもまた・・・非礼をお許し下さい、お師匠。

 

 

なお、このことを恐らくエイダ本人は意識していないだろうが、白龍に関して
口論となった際には紅と同じく、わざとリバクに嫌われて自分から離れていくように仕向けているが、ラミアに看破されている。

 

その後、紅桜が炎に包まれる中では紅とは反対に、優しい嘘でリバクを送り出すのだが
これはエイダがお師匠に追いつき、超えたことの暗喩なんじゃないかなと。

 

エイダが紅を見つけるまで自身の人生にけじめを付けることができなかったように、リバクもまた残された長い時間を自分に捧げてしまうことを見抜いていたんじゃないかな。

結局のところ大切な人との不意の別れというものは、その態度など関係なく生涯尾を引き続けるものなのだろう。

ならば今までと同じように、暖かい雰囲気のまま別れたい。そんな気持ちがあったのではないか。

体は離れ離れになっても、心は互いに一生そばにあり続けるのならば、和やかに別れられた方が良いはずだ。

 

お師匠はこれだけ言えばエイダも自分を嫌ってくれるはず、と踏んだがそうはいかなかった。

しかしエイダは(一度失敗したこともあるからだろうが)リバクが自分を追い続けてしまうことを分かっていたから、せめて最後は笑顔で・・・と別れに臨んだのではないかなと思ったり。

 

危険を冒してでも成し遂げねばならないことと、愛する男性との幸せな暮らし。
どちらを選ぶべきか心が揺れ続けていたが、否応なしに前者を選ばざるを得なくなってしまった。

「来てくれるんなら、平気。」

この言葉はこの時のリバクは知る由もなかったろうが、エイダにとってはいつか白龍に来てくれるなら一人になっても平気、という意味だったんじゃないのかな。

目前に迫る今生の別れに対する自分への慰めと、自分を追い続けてしまうであろうリバクへの甘えが入り混じった、非常に重いセリフなのかもしれない。

 

 

先述したように本作の結末はハッピーエンドだと思うし、あれ以上の終わり方はないと確信している。

しかし生きている間に二人(+ラミアも)で幸せになってほしかったのも事実。

お師匠じゃなくエイダの話になってしまっているがまあ、二人は切れない関係だからということで。

 

 

余談だが何故か日本語表記でのみ、姓が先に来る東アジア風の名前になる。
本家中国語表記では紅=葛蘭特、英語ではRed Grantという名前なので他の言語ではエイダ同様に名前が先。

グラントという姓をそもそも日本に実際に存在する、葛葉という姓に訳しているのがちょっと不思議。

日本語は日本語でカッコいい響きになってるから好きだけどね。
極めて質の高いローカライズも本作の魅力なのだ。

 

 

 

ラッセル=モア

 

お師匠の相方だが巫女ではない。

医療知識を活かして退役軍人が暮らす鬼邦で医師をしながら、龍脈協会の仕事にも従事しており、さらに紅桜の元パイロットらしいので操船の知識まである才女。

※乗組員であったという話は本編でも聞けるが、パイロットだったという記述はビジュアルガイドで確認できる。

 

二人揃って口が悪いが、エイダに詰め寄られるとすぐに折れたり
言い過ぎたと感じた際には後で謝罪したり、紅に比べると優しい一面が見えやすくまた、素直でもある。

口調こそ厳しいが、それはお師匠同様に愛があるからこそ。
先生にとっても娘みたいなものだし。

 

平穏な人生を送ってほしいと願いつつも、実績をどんどん積み上げていくエイダをやがては認め、積極的にサポートしてくれるようにはなるが・・・彼女が宇宙の辺境で姿を消してしまったと聞かされた時には、どのような心境だったのかを考えると胸が痛い。

 

作中で龍脈協会の重鎮に抜擢されるものの、終章では第二次大戦中に協会が解散するとともに連絡が途絶えてしまったとされている。

協会は鉱連の独裁を監視するような役割も持っており、折り合いが悪かったことは
いくつかの会話やメールなどから推察できる。

恐らくは反鉱連側として参戦したというか、そもそも鉱連が協会を圧迫したことが
争いの火種となった可能性も大いにあり、いずれにせよ先生も戦争に再び身を投じる羽目になったのは間違いないはず。

 

解散というが実際は滅ぼされてしまったのが正解ではないだろうか。
ならば考えたくはないが先生は・・・。

白い牙同様、二度も戦争に巻き込まれて鉱連に人生を大いに狂わされた一人。
終章で語られる時の流れは淡々と説明されるだけだが、鳶家の栄達以外はショッキングな出来事ばかりだ。

 

 

 

 

瀛海刺客

鳶家の他の太子から、リバクを殺害するために山塊へ送り込まれた暗殺者。
スタイルが良い上にイケボだが仮面で素顔は不明・・・と言うか前見えるのかこれ。

 

戦闘シーンは基本的にない作品なのだが、一撃でリバクを10mぐらい吹っ飛ばしたり
自分の身長の数倍もの跳躍力を見せたり、バトル漫画さながらの超人的な身体能力を披露してくれる、異彩を放つ人物。

原画では少し見える手足が、鎧だとは思うんだけど機械っぽくも見える。
高性能な機械義肢によるものだとしたら、人間離れした身体能力を持っていることにも納得がいくが、果たして? 

 

白い牙の部下を一人で全員殺害し、本人にも深手を負わせている猛者。

まあ彼はあくまで優れた指揮官であり、刺客やカイトと違って個人の強さはそんなでもないイメージだが
銃器で武装した一団を一本の剣で壊滅させているのだから、只者ではない。

であると同時に単独で龍門を開いていることから一流の探査者でもあるようだ。

 

本気を出せばリバクを瞬殺することもできただろうが、持ち前の超スピードを活かさず
ゆっくり歩いて追いかけるという舐めプをかましたせいで、爆死させられてしまう羽目に。

ゲーム的にはこいつに本気で追いかけられたらどうしようもないけども。

 

こう書くとなんだか間抜けだが、僕はこのキャラも憎めなくて好き。

固有のキャラでは作中唯一、最後まで和解することのない敵役ではあるが、言動の端々に優れた武人であるカイトを尊敬している様子が垣間見え、また、彼の死を聞かされた時には悼むような反応も見せている。

 

徽章による警告も、手負いのカイトを手にかけたくはないという気持ちの表れなのだろう。

 

冷徹さを感じさせる物静かな声色が、このセリフでは明らかに悲しみや動揺を感じさせるものに変化する。

 

彼はただ、主人から課せられた任務を実行していただけ。
リバクやカイトに恨みがあるわけでも・・・まあリバクのことは恨んでいたのかもしれないが。

怒気を含んだ声調で発せられる「この弱さが元凶!」というセリフからは、(当時は)鳶家をまとめる力量もなく没落させてしまい、挙句の果てにはカイトまで死なせてしまったリバクへの強い怒りが感じられる。

いずれにせよそれはそれで忠義に厚い男だということになるし、やっぱり憎めないな。

 

根は悪人ではないことが窺えるゆえ、もし違う出会い方をしていたら・・・と思わずにはいられないキャラクターなのだ。

これはカイトと白い牙にも同じことが言え、平和裏に出会っていたらこの三人、武人同士ということもあって良い友人になっていたんじゃないかな、なんて。

 

 

利害を巡って誰かと敵対することは何度かあれど、少なくとも固有キャラの中には明確な悪役はいない。
(トゥロワというやばい奴がいるが直接は登場しないし)

それもまた本作の良いところなんだ。
自分なりの信念や正義に基づいて行動していて、みんな筋が通ってるから各々が魅力的なのさ。

 

 

ちなみにモブでなく、尚且つ3Dモデルが用意されているキャラでは唯一、クリア後の隠しタイトル画面に登場しない。

いやまあ、名無しなので半分モブじゃないのかと言われたら反論はできないのだけど。

カイトと談笑しているパターンでもあれば多分泣いていた。

 

 

【OPUS : 星歌の響き】  クリア後のタイトル画面集  【ネタバレ注意!】

 

 

 

トゥロワ

名前のみの登場で容姿も年齢も分からないが、作中屈指のクズ野郎。
トゥロワ兄と呼ばれているので若いんだろうか。

人身売買で生計をたてていたが、最終的には捕らえられ処刑されている。

商品にされていた子供からの密告で破滅を迎えることになるのだが、誰が通報したのかは不明。

助けに来た鉱連兵も裏社会の連中も、本人が否定しているにも拘らず何故かラミアがやったと思っているようだが・・・?

 

終盤に光落ちするまでは心に深い闇を抱えているし、幼少期はかなり病んでいるように見える。
苦痛から逃れるためにラミアが無意識にやったとかなのだろうか?

もしくは密告者ではないが飛び抜けて頭の良いキャラなので、トゥロワと交流のある人物の間では名が知られており
ラミアならやりかねないと思われたとか? 真相は闇の中である。

 

ともあれ、一応弁護しておくと山塊は元々非常に貧しい星系である上、特に彼が悪事を働いていた時代は戦後間もないこともあって、混乱を極めていたはずだ。

白い牙同様に犯罪者に身を落とさねば生きることができなかった可能性もあるため、一応同情の余地もなくはない。

ラミアの卓越した機械技術や知識は彼から学んだものなので、優れたエンジニアでもあったらしい。
もっともこれに関しては彼女が技師として天才だった、という影響の方が大きそうだが。

 

彼が摘発された際には商品として売買するほどの量でもなさそうな
巫香葉(幻覚作用)と龍人参(精力増強)が押収されており、子供たちに性暴力を振るっていた、あるいはそれ用として売っていた可能性もあることが、ひっそりと示唆される。

目が合っただけで殴るなど暴力で支配しており・・・いやごめん、こいつだけはやっぱどうしようもないな!

 

 

商品だった頃のラミアは薄汚れており髪はボサボサ、目には光がなく表情にも乏しいし声に抑揚もない。
これまでの感情表現豊かでお喋りな姿からは想像もつかぬ過去はショッキングだったし、名前の由来も悲しすぎてプレイ時に泣いてしまった。

紅桜の一員になってからも機関室でパソコンの明かりがないと眠れないなど、過酷な幼少期は人格だけじゃなく生活習慣にも強烈な悪影響を与えてるんだよね。

 

鳶家の他の太子とかも大概だが、ああいう完全なモブを除けば本作で許せないキャラはこいつぐらいだろうか。

(家督争いは世の常ではあるため、あっちはまだ納得もできるし)

 

 

どうでもいいけど当初、こいつはマイナーすぎることもあって一番最後に来る形で書き上げたが内容的に後味が悪くなってしまうので、投稿前に一考して位置を変更した。

一番手に持ってくるのもそれはそれで嫌な奴なので、真ん中あたりにコッソリ混ぜておくことで解決。

同じ悪役でも刺客さんの爪の垢でも煎じて飲んでおきな。

 

 

 

 

マダラ(リチャード=モール三世)

メールでのみ接触してくる謎の人物だが、後にその正体は鉱連のお偉いさんであることが発覚する。

 

アングラネットで偶然知り合ったラミアに心惹かれ、彼女を通して
自分が民衆を苦しめる組織の高官一族であることを知って恥じ入り、家族と敵対してまで反鉱連の道を歩むことにした熱い男。

 

堂々とした立ち居振る舞いにウィットに富んだ話し方。

凄まじく頭が切れるのは分かる。
会見に潜入していたリバクとエイダに接触後、怪しまれることなく退出させたり機転も利く。

上流階級なので教養もあるだろうし、礼儀作法なども叩き込まれているからこそ、一度きりの短い登場シーンが印象に残るのだろう。

 

お遊びでハッキングをやっているようだが、顔が広いなんてレベルじゃない裏社会の情報網を持っているし、機械に関する知識も半端ない謎多き人物。

大富豪だろうに何故かラーマに借金までしているし・・・。
借金放置するとどうなんの? みたいな感じで社会経験を積むための戯れだったりするのだろうか。

 

 

終章でポツリと語られるラミアの恋人とは恐らく彼のことなのだが、時系列的にも
突如山塊を離れるというラミアの行動的にも不自然な点だらけ。

また、モールという姓から本人たちが気付くことはあったかは不明だが、彼とラミアの本当の関係は恐らく・・・

こちらも記事の最後の方にリンクを貼っている考察記事にて、二人の行動に関して
解説しているので、良かったら読んでみてね。

 

 

なお、作中では帽子で隠れて顔がよく分からないが、公式ビジュアルガイドの原画および
サウンドトラックvol1の描き下ろしパッケージイラストで素顔を確認することができる。

キモいスラングを連発するメールからは想像しがたいが、涼やかで優しげな目元が印象的な好青年だ。

 

 

 

よく見るとゲーム内の顔絵、イベントスチル、原画すべて口の左横に小さな傷跡らしきものがある。
年齢的にも位置や角度的にも皴ではないと思うんだけど。

 

 

ラミアとはネット上でのやりとりのみで直接会ったことはない。
手紙やメールの会ってくれてありがとう、また会ったねといった言葉は『ネット上で』という意味。

二人の年齢は倍以上離れているが、容姿も年齢も知らないはずなので決してロリコンではないはず。

エイダと別れた後に約束通り彼女はマダラを訪ねたのだろうが、憧れの天才ハッカーが小さな子供であったことに恐らく驚いたんじゃないかな。

 

 

 

 

ラーマ

名前があり且つ固有グラのキャラでは唯一フルネームが不明。
ラーマとは名なのか姓なのか、はたまた偽名や通称なのか。

 

おじいちゃんかと思えば実はアラフォーでびっくり、設定見るまで60歳ぐらいだと思ってた。

よく見ると実は左目を失っており、こちらは原画でしか分からないが右腕も義手になっている。

 

この絵では驚いて片目閉じてたんだとばかり。会話時に表示される顔絵も片目が黒くなってるね。

 

後頭部のタトゥーみたいなのも大きな傷跡なのか。

元は星環自由戦線の兵士なので過去の戦争で負傷したのだろう。
年齢に見合わぬ老け具合は過酷な人生を送ってきたからなのかも、と思えば心苦しくなる。

 

飄々として食えぬ人物で、よそ者に対しては騙すことも厭わない。
一方で仲間意識は強く、民衆の英雄たる白い牙がマフィアに身を落とした後も支援を続けるなど義理堅い一面も。

リバク一行にも仲間と認めた後は何かと世話を焼いてくれる。

 

宇宙葬以降は出番は少なめ。終章でもその後は語られず、第二次龍脈大戦では何をしていたのか不明。
ティランでは貿易理事会、羅生一家、龍脈協会という錚々たる顔ぶれで行われる会議に潜り込んでいくが・・・

鉱連側につくことは考えにくいので資金面で反鉱連側をサポートし続けたとか、上記の会議などを通して
鉱連内部に入り込んでスパイ活動を続けたんじゃないかとか、白い牙と共にゲリラになったとか、想像がはかどるキャラクターだ。

 

 

 

 

リゲン(鳶家当主)

瀛海鳶家の当主にしてリバクの父。

別の記事でも語ったことがあるが、鳶は姓ではなく国名や役職・官職名のようなものだと思われ
瀛海は中華風の文明であることや、他にはリゼンという兄弟の名が確認できるのでが姓らしい。

つまりリバクは厳密にはリ=バクというわけ。本家の中国語表記では李莫だしね。

 

家中の内紛を収めることができなかったため少し頼りない印象があるが、出自に囚われず
恐らくはその人柄や才覚で判断し、リバクを継承者第一候補に抜擢したことから聡明な人物であることは間違いない。

※末子である上に唯一側室の子ということもあり、当初はリバクの序列は兄弟の中で一番下だった。

 

瀛海からの逃亡を図るリバクとカイトの前に先回りして立ちはだかったあたり、人を見る目があり頭の回転も速いのだろう。

 

しかし結局二人を捕らえず、(いずれ彼らに与える予定の船だったとはいえ)タイギョまで与えて送り出しているのは、優しすぎるというか、多くの配下の命を預かる貴族の当主としてはいささか甘すぎるとも言える。

 

 

 

出番が少ないために想像に任せるしかないが、家中の混乱を鎮めるために尽力はしたのだろう。

実際、彼の死後に収拾がつかないほど荒れるので、ある程度抑え込めてはいたようだ。

だが平穏を取り戻すことは叶わず、身を隠した息子と再会することもないまま心労か、逝去してしまう。

多難な人生だったろうがその後、鳶家は自ら後継者に指名したリバクによって大いに発展したのが救いか。

 

 

作中、リバクは一貫して困っている人には手を差し伸べる優しさを持ち合わせているし、時折甘すぎる一面を見せることもある。

そんな彼の気性はこの父親譲りなのかもしれないね。

 

 

リゼン

終盤に紅桜に送られてくるメールから、その存在を知ることができる人物。

リバクは末子なので少なくとも兄であることと、家中の内紛を鎮めるために
助けを求めてくることから、自前の戦力には乏しかったり、積極的に争いには参加していないことが窺える。

恐らく争い合っている兄弟に比べ善良な人物なのだろうが、それ故に蚊帳の外に置かれて何もできず、歯がゆい思いをしているのかもしれない。

 

当主曰く、一族皆がリバクの命を狙っているとのことなので、もしかしたら内紛で疲弊する前は彼もイケイケだったのかもしれないが・・・。

あるいはかつてのカイトの隊長が仕えていた人物だったりするのかもしれない。
早い段階(リバク幼少時)で争いから脱落している上、人格者とされる隊長の主ならば荒くれ者である可能性は低くなるしね。

 

回想シーンでリバクをいじめているクソガキは4人。
7人兄弟なのでほかに2人まともな人物がいたのかもしれず、そのうちの1人とかなのかも。

 

 

 

皇帝

 

建造物の外観に食事はお箸などなど瀛海は中国と似た文明を持っているが、本当に昔の中国の皇帝のような格好をしている人。

いやまあ好きこのんでやってるわけではなく、多分これが正装なのだろうが初見では不覚にも笑ってしまった。

お前いつの時代の人間だよ!ってね。
ただし本作の人間は地球人かどうかは実は分かっていない。

 

各勢力のエンブレムや名称(ロンドン商業組合、エッフェル同盟、トロント製菓などなど)および文化などから恐らく地球人の末裔だとは思うのだが、人間は万道の神から生まれたと信じられており、確たる証拠はないし人々は地球という星も知らない様子。

 

本作に主人公がカメオ出演しているシリーズ一作目・地球計画は、銀河歴が同じ概念であれば本作の約8千年後。

こちらは諸々の事情で人類を救うため、かつての故郷である地球を探し出すという物語だが・・・地球計画の登場キャラクターとリバクたちが同じ人類であるかは明言されていない。

乙皇や地母の大きさを見れば分かるが彼らは明らかに人間ではないし、カピバラもいたりと
人間以外の生物も複数登場しているのが本作の特徴の一つなのだ。

もしかしたら人間だと我々が勝手に思っているだけで、作中の主要人物達も地球人ではないのかもしれない。

 

なのでこの衣装が遥か昔から連綿と受け継がれてきた文化なのかは分からないわけ。

瀛海は高度な科学技術を持っているにも拘らずその歴史はわずか百数十年程度しかなく、しかも瀛海貴族はやはり
神話から生まれたと信じられていたり、実はかなり謎の多い勢力なのである。

(あの科学力で何故たかだか百数十年前の記録すら残っていないのか?)

 

 

探査者の腕前を競い合う御前試合にて、リバクが狼藉を働いたことで鳶家が管理していた龍脈鉱山を召し上げ、一族は危機に陥ってしまう。

カイトは後に、この件は仕組まれていたものと語っているが真相は不明。
もっともらしく聞こえるが、リバクを元気付けるための方便であるようにも思える。

 

その後は登場しないが多数の龍脈を得て瀛海へ戻ってきたリバクを取り立てているので、(鳩家の者が本当に不正を働いていたのなら)騙されただけで
彼自身は一大勢力のトップに相応しい、実力主義の公明正大な人物なのかもしれない。

上の画像のセリフ通り、山塊から追い出される原因を作ってしまったり鳶家は親子二代で失態続きだったしね。

 

 

 

 

乙皇&地母

古代万道神話の主神たち。
神話の流れは残された碑文などから大まかにしか分からないものの、この神々の一生はどことなくリバクとエイダを彷彿とさせる。

僕以外にもプレイしていて二人は、この神たちの生まれ変わりなのではないかと考えた人は多いんじゃないかな?

 

 

この古代の言語を訳すことができるのに気付いた人は何人いるかな?
万道地母歌集をチェックしてみよう! 考察記事でも紹介しているよ。

 

こちらは回想シーンにて、同じ場所に立っていたリバクを切り抜き貼り付けたもの。
リバクの身長が174㎝なので、ざっと見たところ地母が3mちょい、乙皇が5m半ばぐらいだろうか。

見ての通り体格の違いから古代万道の人々は、一般的に定義される人間とは違い、いわゆる宇宙人であることが分かる。

容姿に関してはこういう生物なのか、それともご想像にお任せしますということなのか。

一度二人のファンアートを描いたが、自分のイメージはリバクとエイダをそれぞれ、大人っぽくしたような感じなんだけど。

 

 

乙皇と地母の間でも大きな体格差があるが、二人以外の古代人が登場するイベントスチルでは
皆、地母と同じぐらいの背丈なので乙皇だけが一際大きな体を持っているらしい。

さらに彼の体の周囲にだけ人魂のようなものが漂っていることや、人々を救うために現れたという旨の記述から
地母たち古代人とはまた別種の生物なのではないかと思われる。

 

 

この辺は語りだすと長くなりすぎるため今回は割愛。

リバクとエイダがこの二人の生まれ変わりであると考えられる理由含め、しつこい宣伝になってしまって恐縮だが
考察記事にて説明しているので、興味があればどうぞ。

 

 

別の項でも話していた本作がハッピーエンドであると考える理由だけ、簡単に説明しておこう。

それは乙皇と地母の魂を持つリバクとエイダが、二人がともに眠る場所として造られた白龍へ辿り着くことができたため。

序章には「一万年後星ガ遷ル時 我汝ト共ニ此処ニ眠ラン。」という乙皇の言葉が刻まれた碑文が登場するが
彼は地母を葬った後にほどなくして、白龍から遠く離れた地で燭龍の炎に飲まれ命を落としてしまった。

 

つまり一万年(?)の時を経て、乙皇がリバクとしてこの約束を果たしに来たのが本作のエンディング。

一見悲しいのだけれど永い間引き裂かれていた恋人たちが再会し、自分たちが眠るべきだった場所へ還ることができた。

そして魂の安息を得て結ばれたのだと考えることができ、これが僕がハッピーエンドだと言い張る根拠というわけなのさ。

 

※STEAMレビューで同じようなことを言ってるアカウントがいますが本人です。名前は変えてるけど。
 

 

 

 

おまけ: 実況動画視聴のすすめ

他の記事でも述べているが僕はこの作品で初めて、ゲームで声を抑えられないほど泣いてしまった。

違う時空にいる二人の手が触れあった瞬間に変な声が漏れ、杖を捨てて駆け出したリバクを見て
本格的に涙が止まらなくなり、花の海で声が抑えられなくなったのは今でも鮮烈に覚えている。

感受性が強い自覚はあるので自分がおかしいのだろうか。
また、他の人は終章にどんな反応を示したのかとクリア後に、本作の実況動画を漁ってみたことがある。

 

女性実況者は多くが号泣しており、男性も黙ってしまったりカメラを切ってしまったり
特別自分がおかしいわけではなく、やはり良い作品なんだなぁと再確認できた次第。

感動を共有できるのはもちろん、考察する場合は着眼点の違いから新たな気付きを得られたりもするので
本作にハマった人は是非、色んな配信者様の反応も楽しんでみてほしい。

 

 

 

みんなそれぞれ素敵だが、僕が一番おすすめしたいのは台湾Vtuberの祈菈.貝希毛絲(Chilla Behemos)さんの実況。

中国語(台湾華語)が分からなくっても、本作で泣いた人の心には絶対突き刺さるはず。

鼻をかむ音が凄いので苦手な人はそこだけ注意。
僕の知る範囲ではだけど、他国では鼻をすするのはNGだがかむ音はOKなんだ。

ってことで配信でも音をカットしていない人は、日本人以外だと結構いる印象。

 

最初は鼻をかみつつも冷静に実況しているけど、最後はそれもできなくなっていくの込みで素晴らしい配信なのよ。

終章だけ見たいという人は1時間26分あたりからスタート。

 

この動画でファンになり視聴を続けているが、普段はホラーゲームでもゲラゲラ笑いながらやってたりする人なんだよな・・・。

 

 

そうそう、ゲーム実況というと良くないイメージを持つ人もいるため補足しておこう。

祈菈の場合は同じ台湾の表現者ということもあってか、宣伝のために開発元のSIGONOから提供されているので
実況批判にありがちな勝手に配信しているとか、そういうのは当てはまらないためご安心を。

彼女は台湾のゲーム会社お抱えのVtuberであり、その関係での繋がりもあるのかも。

 

そもそも近年は実況の許可を明記している会社が多いし、配信者も例外を除いてきちんと守ってるから問題ないのだけど、未だに批判的な声を見かけるから一応ね。

配信者がパトロンになって新作を出してもらう、ってケースも出てきているので
その辺の偏見などが払拭されればなと思っていたり。

 

※ちなみにSIGONOは自社製品をどんどん配信してほしいというスタンス。
 あらゆる配信者に実況してくれたお礼のコメントを残して回っていたりするし、クリア後に解禁される舞台裏でも
 実況してくれた方々へ感謝の言葉を述べている。

 

 

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