OPUS(オプス) 星歌の響き  プレイ日記7話目 【第二章 上 その3】

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こうなるのは分かっていたさ。分かっていたけど、辛い・・・。

 

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主との出会い

「何なんだよ・・・同じ一族だって言うのに・・・クソったれ。」

 

恐らくは十数年ほど昔の話だろうか。

そこには御家騒動により敬愛する上司を失い、その墓前で悲嘆に暮れるカイトの姿があった。

戦争の混乱に乗じて同じ鳶家の者に暗殺されたとのことで、前後の会話から
陰惨な跡目争いが繰り広げられていることが窺える。

側にいる同僚はドライな男だと思われ、カイトに気持ちを切り替えて今後の身の振り方を、
つまりは新たな主人を探すことを考えた方が良いとアドバイスする。

しかし義理堅い彼にとっては、そんな簡単に割り切れるものではない。
そんな時に現れたのが、まだ幼いリバクであった。

 

リバクは第八太子という身分ではあるが母親は平民の出、そしてすでに亡くなっており
その立場は非常に弱いものであることが判明する。

家の再興を掲げているので当初は、てっきり当主の座を継いだのだとばかり思っていたが、鳶家には他にも多くの嫡子がいて彼は末席に過ぎないようだ。

 

この墓には毎日、亡くなった母親と話すために来ているのだという。

本当に死んだ者と会話できるのかは定かではないが、そこで涙に濡れるカイトを見つけ、声をかけてきたというわけだ。

 

「おじさん、泣いちゃダメ。」

「僕は母上が亡くなっても泣かなかった。だからおじさんも泣かないで。
 鳶家に泣き虫はいないって、母上が言ってる。」

「母上は僕が当主になって、将来はみんなを守れって。」

「僕が守ってあげるから。」

 

 

 

うっとうしいガキだと凄むカイトだったが、少年の純真無垢な言葉が心に突き刺さったのだろうか。

回想はここで終わるがこれがキッカケで、リバクのためならば命を賭することもできる忠誠心が芽生え、熱い絆で結ばれる主従となったようだ。

 

「若様、カイト=ブランは、いつまでもあなたのお側に。」

 

 

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謎の刺客

カイトの前に1人の謎の男が現れる。

警告はしたはずなのに何故まだここに? という問いに対し、裏切るわけがあるかと一蹴するカイト。

 

惜しいなと口にしている辺り、大戦で活躍したというカイトは敵対者からも尊敬されているのだろうか。

 

この男は鳶家残党が送り込んだ刺客だった。
一族の没落を招いたリバクは他の太子に命を狙われているらしい。

亡命中だという話は聞いたが、瀛海同盟諸侯ではなく同じ鳶家の者に追われているということか。

賭けられた懸賞金も恐らくは・・・没落後も御家騒動は続いていたというわけだ。

 

警告、とは刺客はリバクの命さえ取れればいいのだろう。
だからカイトには逃げるチャンスを与えたが、しかし彼は肯んじなかった。

何者かが侵入しているという話を聞いて、カイトはその正体を察したのだと思われる。

リバクを巻き込むわけにはいかない。だから通信を切った。

いずれかのタイミングで下手人が現れることを知っていたから、リバクを守るために無理を押して同行してきたし、エイダを船内に残させたのも恐らくこれを予測しての配慮だったのだろう。

 

 

 

本当に・・・格好良い男だ。カイト・・・。

 

 

最後の言葉

 

リバクが駆けつけた時には、すでに男の姿はなかった。

カイトにはまだ辛うじて息があるし、取り逃がしてしまったという言葉から
とどめを刺すことができず、撤退を余儀なくされるほどの深手を負わせることができたのだろうか。

 

最早歩くことも叶わぬカイトの肩を抱き、リバクは船を目指す。
早く手当を、と言うがもう手遅れだということは頭では分かっているだろう。

 

歩きながらカイトは苦痛を押し殺しながら語り始める。
感情で動いてはならぬこと、必ず当主になること・・・

止まらぬ言に最初は返事をしていたリバクもついに、悲痛な声で遮ろうとする。

 

「そして・・・若・・・」

「もう喋るなって!」

「鳶家には・・・泣き虫はいません・・・」

「それは・・・」

「若が・・・教えてくれました・・・」

 

カイトが最後に絞り出したのは、あの日、自分に新しい命を与えてくれたかのようなリバクの言葉だったのだ。

 

 

 

・・・もうね、めちゃくちゃ泣いた。

プレイ時間はまだそんな長くはないと思うんだけど、話の内容が凄く濃いから
カイトとは随分長い付き合いだったような気がする。

そしてここまでの展開では、あらゆる危機を彼の機転で乗り越えてきたから
精神的支柱としてもとても大きな存在だったんだよな。

 

従者や護衛といった言葉では片付けられぬ大きな存在。
頼れる父のようであり、兄のようでもあり、親友のようでもある。

お前は最高の男だった。ゆっくり休め。