やあどうも、Peter@peters_life0801です。
本日はゲームパスで配信中のアトミックハートをご紹介。舞台設定やスケール感を始め、世界観には圧倒されるがゲームとしては・・・って作品だった。
プレイ時間は6時間49分。
序盤でギブアップしてしまっているので、話半分にどうぞ。
やり込んだ人から見れば的外れなこと言っているかもしれないからね。
お気に入り度:★★☆☆☆
概要
科学テクノロジーが急激に発展し、ロボットと共存する1955年のソビエト連邦を舞台にした一人称視点のアクションRPG。
2023年2月発売。対応機種はPCほか、XBOXとPSでそれぞれ現・前世代機でともに発売されている。
ただし本記事を執筆している時点(2023年4月4日現在)では日本語版はまだ正式には発売していないとでも言おうか、ゲームパスやSTEAMでのみ遊ぶことができる。
※現在は日本語字幕にのみ対応。吹き替えが用意されているそうで4月13日の発売とともに
ゲームパスやSTEAM版にも日本語音声が適用されるのかな?
SF + ディストピア! 完成された世界観
本作最大の長所と言うか、正直ここしか褒めるところはないんだけど・・・
美麗なグラフィックで再現された独特の世界は圧巻の一言。
ボートで遊覧をしていればロボットがソーダを届けにやってくるし、店では売り子をしているし、道端では大道芸をやっていたりする。
人々の生活は当たり前のようにロボットに支えられ、自然と科学が融和した街並みも美しい。
一見、皆平和を謳歌しているように見えるのだがゲーム内のキャラクターとは裏腹に、プレイヤーの目にはすぐにそれらが奇妙なものとして映り始める。
「5年以内に、人間とロボットの見分けが全くつかなくなります。」
「店員さんと話していたと思ったら、実はロボットだった、なんてことになるでしょうね。」
「市民の教育に時間を費やすなんて、もう過去の話。」
「これからは神経ポリマーを注入するだけで、学識ある市民に一瞬でなれるのです。」
開始直後は凄いな、楽しそうな世界だなと思っていたけど、その認識はものの数分で覆され、極めて不気味なものであると感じるように。
外国語も学問も芸術も一瞬でマスターできる──
僕は精神論が大嫌いで合理性を重んずるけど、ここまできたら人間として生きている意味ってあるのだろうか。
例えば僕は最近イラストを始めてまだまだ下手くそなんだが、それでも少しずつ上達しているのは感じる。
できないなりに工夫を凝らすことや、上手くなっていっている感覚も楽しんでいるので
その過程をすべてすっ飛ばして、いきなりプロレベルの絵描きになれるぞと言われても、僕は願い下げだな。
訓練も試行錯誤もせずとも、誰もが科学の力で完璧な人間になれる世界は恐ろしくつまらなさそうだ。苦労が美徳だとは微塵も思わないが、学ぶ楽しさを失いたくはないものさ。
果たしてそんな社会が進歩するのかという疑問もあるしね。
それぞれ長所の異なる色んな人がいて、何かが不得手な人もいるからこそ、それを補うために技術は発展することもあるだろうし。
無数のロボットによるパレード。
このタイプは愛嬌あるデザインで一体ずつなら可愛いんだけど、隊伍を組んでの行進は威圧感があるし恐ろしい。
空に浮かぶ無数の島にはそれぞれ都市があり、人々が暮らしている。
広大な自然の中に偉人の巨像が立ち並び、モノレールが横断している地上の光景はなんとも不思議で壮大、かつ美しい。
国際問題で物議を醸しているが・・・
ちょっとデリケートな話題に触れるので、気を悪くされる方がいたら申し訳ない。
本作はロシア(正確にはキプロス?)で開発されたが故に、ウクライナの要人がマイクロソフトやValve、ソニーに販売の停止を呼びかけたことが、ゲーマーの間で話題になった。
言うまでもなく戦争なんてクソ喰らえだけどもそれはそれ、これはこれだと思うな。
販売停止をすべき理由にロシアの政権や殺人、共産主義の美化を挙げているが
冒頭をプレイしただけでも、これらがあまりにも的外れであることはすぐに分かる。
この作品では一見、人々がソ連の統治の下、ロボットと共存して幸せに暮らしているように見えるけど、ゲーム内の人物とは裏腹にそれらが異常なものに見えるのはすでに説明した通り。
そしてその平和と優れた科学力はゲームが始まってすぐ、たった一人の反逆者の手によって破壊されてしまうのだから、体制賛美とは程遠いだろう。
礼賛どころか行き過ぎた社会主義や科学を否定している内容だよ。
政治的な問題はどこの国にも基本的に肩入れはせず、俯瞰して見るように努めているけど、これはさすがに否定したいな。
ゲーム部分の完成度は全体的に低い
さて、褒めて擁護もしたけれど残念ながらこの作品、ゲームとしての面白さはいまいちだ。
良かったと感じた部分は、壁の落書きやポスターに書かれた文字にも字幕が表示されることぐらいだろうか。
面倒すぎる謎解き
こういうタイプのゲームには必要なものだろうし、入れるなとは言わない。
数が多すぎて少し進む度に足を止められ、結構な時間を取られてしまうのが大問題なんだ。
内容自体も難しいと言うか説明不足で、そもそも何をすればいいのかすぐには分からないものが多い。
そして解法が分かってもちょっとずつしか動かせないものを運んだりと、無駄に時間がかかるものが多数でかなりのストレス。
イベント形式になっているものはまだマシで、無数に用意されている扉のピッキングパズル・・・これ本当に必要だった? 必然性の無いパズルが多数配置されており、とにかく水増ししているとしか感じられない配分になっている。
謎解きに次ぐ謎解きでテンポが恐ろしく悪い。こういうのはたまにあるからこそ楽しいわけで。
洗練されていないマップデザインもストレスの元
序盤しかプレイしていないので今だけかもしれないけど、マップの構造もよろしくない。
内鍵を開けるような形でどんどんショートカットが開通していくんだけど、同じような場所が多すぎてどこがどう繋がったのか、どこを既に探索したのかが非常に分かりにくい。
完成度の低い戦闘システム
率直に言ってつまらないし退屈。
ロールプレイに重点を置いたスカイリムといった作品よりも単調。
補助や攻撃などの効果を持つ魔法的な役割のスキルシステムがあるが、同時に2つしか装備できない。
枠が固有のショックはクールタイムが長すぎるし、2023年の作品とは思えないほどやれることが少ない。
本作には正面からの撃ち合い殴り合いだけでなくステルス要素もある。
しかし遠く離れた位置から障害物越しに発見されたかと思えば、距離が近くどう見てもバレそうな位置なのに気付かれなかったり、これまた完成度が低い。
距離関係なく敵が向いている方向と自分が重なったら見つかるんだろうか・・・?
システム面以外だと敵のモーションも残念。
見た目は無機質な機械なのに、飛び蹴りだとか回し蹴りだとか拳法みたいな攻撃してくるのはギャグに見える。
淡々と力任せに攻撃してくるような、ロボットならではの無慈悲・無感情な怖さを見たかった。
もっと進めればそういう敵も出てくるのかもしれないけどね。
強いられる3D酔いとの戦い
視野角(FOV)が狭く設定でも変更できない上、謎解きや戦闘、探索でカメラをグルグル動かすことになるのでとにかく酔う。
揺れは手ブレだったかな? そんな項目の値を下げることでマシにはなるんだけど。
この問題に関しては個人差もあるけど、STEAMレビューなどを見ていても
本作は酔いやすい部類に入りやすい模様。ちなみに僕は死ぬほど3D酔いしやすいタイプ。
移動そのものがストレス
酔いやすさに加えて移動に関するシステム全般が煮詰められていない印象。
広いのになぜダッシュがないのか。いや、一応ダッシュと名の付くアクション自体はあるが、実質ステップでごく短い距離を動けるだけで連発もできない。
なので謎解きで往復する必要があるときなどは、必要以上に時間がかかってしまう。
そしてパルクール。
どこが掴めるのか、どこまで届くのかさっぱり分からずかなりシビア。
掴めるものは基本、黄色で表示されるみたいなチュートリアルはあったが、そうでない場所も多い。
パルクールが売りのダイイングライトも所々分かり辛い箇所はあったが、本作に比べると良く出来ていたんだなって。
既に紹介した不自然なステルスや過剰な謎解きパズル、QTEなどなど…
色んな要素を入れてみたけどどれも調整不足で、ゲームの面白さには全く繋がっていないように思う。
まとめ
最初の施設をクリアすれば地上に出ることができ、そこにはオープンワールドが広がっているらしい。
こう聞くとなんだか楽しげだが、序盤を楽しめた人でも地上に出てからはつまらないそうで
すでに我慢しながらプレイしている自分には、じゃあ無理そうだなってことでギブアップ。
今を乗り越えれば面白くなるはずだ・・・と思いつつ、システムの完成度自体が低すぎるので
本当にこれから面白くなっていくのだろうかという疑念は絶えなかったしね。
現時点ですでに修理ロボット(倒した敵を何度でも復活させる)がうっとうしいと感じていたのだが、地上に出てからはこいつらが際限なく現れるらしい。
述べた通り世界観や景観の良さは本当に素晴らしいので、地上に出て
どんな光景が広がっているのか、そして自分の足で歩き回ってみたかったとは思っているし、話の続きも気になるんだけどなぁ。残念な作品だった。
ただ開発元はこの作品が処女作らしく、本作は決して有名メーカーのビッグタイトルなどではない。
一作目でこのクオリティならば伸びしろは半端なくありそうだし、今後には期待したくなる。
是非、システム面でも楽しませてくれる新作を作って頂きたいものだね。