【評価/レビュー】  百英雄伝  【惜しいレトロライクRPG】

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どうもこんにちは、Peter@peters_life0801です。

先日、ファーストインプレッション記事を公開した百英雄伝。
最終決戦っぽい雰囲気になっているのでもう終盤なのだろうが、ギブアップすることにしたため最終評価として記事にしてしまおう。

プレイ時間は56時間。派遣(リアル時間30分ごとにアイテム入手)の関係で数時間放置していたりもするが、50時間以上は実際に遊んだはず。

なんかなぁ・・・バッカーへの対応などで数回炎上しているそうだが、自分には関わりが無いのでそちらはノーコメントといきたいものの、ゲームの出来だけでなくそういう方面でもやらかしているの含め、もったいない作品だね。

 

お気に入り度:★★☆☆☆

 

キャラクターは魅力的だが・・・

総勢120名もの仲間キャラクターが登場するものの、皆それなりに個性的でデザインも良い。

ただ惜しむらくはやはり、人数が多すぎるために個々のキャラの掘り下げは圧倒的に不足しており、メインストーリーにからむ者以外は加入イベントでぐらいしか見せ場がない。
“それなりに” と前置きしたのはそういうこと。

一応、各イベントに当たり障りのない無難なセリフが用意されており、編成していると少しだけ喋ってはくれるのだが・・・。

 

特に外伝作品・Risingで主人公を務めたCJすら、その他大勢の一人に埋没してしまっているのはあまりにも残念。

デザインはもちろん、性格なども含め一番好きなキャラなので加入イベントは良かったものの、そこぐらいしかろくな出番がないのはね。かなり強く戦闘では大活躍してくれるのだが。

 

 

本拠地の発展は結構楽しい

素材を集め徐々に機能が解放されていき、見た目も立派になっていく発展システム。
自由度はなく一本道なのだがこういう要素はやはりワクワクするし、新しい施設が建てられるようになるのが待ち遠しくなるもの。

街路樹や街灯など申し訳程度ではあるが、外観をカスタマイズできるのも良いね。

 

自室の模様替えは残念というか不要

自室も置物などで多少カスタマイズできるのだが、こちらは必要ないと思うしその分街並みカスタマイズに力を割いてほしかった。

というのも自室でできることは何もないので、そもそも意識しない限り訪れることがないからね。
宿屋と同じ機能でもあれば、たまに訪れることもあったかもしれないけど。

 

 

レトロライクとしての雰囲気は良し!

グラフィックは申し分なく音楽も良い。
調べてみたところBGMは、なるけみちこさんに桜庭統さんが担当されているそうで納得の出来。

ちなみに前者はワイルドアームズシリーズ、後者はスターオーシャンやテイルズシリーズなどで有名な方で、ゲーマーなら両氏が手掛けた曲をどこかで聴いているという人は多いはず。

 

 

あとは戦闘システム。これは否定的な声が多いように感じるが、個人的には昔ながらのコマンドRPGといった具合で、基礎自体は結構好き。

できることが少なすぎるのでルーン枠などを調整し、もう少し多彩な行動が取れるよう調整してほしいとは思うのだけど。固有技もせめて一人一つぐらいは用意してあげてほしいね。

キャラ・技バランスやダメージが見えないことがあるカメラワークなど不満点も多いが、微調整すれば戦闘は良い線いっているように思う。演出もまあまあ派手で見ごたえもあり。

 

 

気になった点

あまりにも多すぎるため記事を分けたので、こちらをご覧くださいませ。

【百英雄伝】 悪い / 気になった点 まとめ 【面倒、不便 etc…】

ここでは数が多いものの、どれも作り込みが甘すぎるミニゲームの中から特に気になったものへの感想を述べていきたい。

 

戦争

シミュレーションRPG風の戦闘。

プレイヤーだけが使える軍団コマンドが強すぎてまず負けることはなく、兵科や地形などの相性要素もないし、さらにマップが狭い上に一マスずつしか動けず、移動の自由度もないため戦術も何もない。

適当に前進させて、接敵時に軍団コマンドを発動するだけで勝てるのであまりにも単調。

また、戦闘ごとに交戦する演出が挟まれるのだが、これがスキップも早送りもできない上に非常に長い。演出の長さに関する不満はこれのみならず、カードに料理、ベーゴマなど他のミニゲームにも言えることなのだけどね。

あと右下の戦死ログは正直ウザい。恐らくはバッカー(クラファンに出資した方)特典なのだろうが、寒い内輪のノリを見せつけられているみたい。

流れるのが速すぎてほとんど読めないし、当事者である方々も満足できるのだろうか。これ。

 

そして一騎討ち。基本的に攻撃と防御しか選べない上、やはり演出が長かったり硬かったりで無駄に時間がかかる。適当にコマンド選んでても気付いたら勝っているし、戦闘ごとに違うセリフが用意されているが長引くせいもあって、同じセリフを何度も繰り返すのも興醒め。
(行動時のセリフが相手との会話になっている)

 

 

ベーゴマ

ギブアップを決意させた大戦犯。

プレイヤーの腕が介在する余地はほぼ無く、強さはコマごとのステータスに9割方依存。
そして強いコマの入手方法は、何故か特定のモンスターからのドロップと意味不明。

イベント数が無駄に多く、このミニゲームに関わるキャラを仲間にするまでがとても長い。
加えてイベントバトルを発生させるには、各街やダンジョンにいるモブとのバトルまでこなさなければならない上、見た目で判別できないので総当たりで話しかけるしかないという酷さ。

トドメに三番勝負なのに何故か二本先取しても、きっちり三試合目までやらされるという謎仕様。

 

嫌ならやらなければいいというわけにもいかず、トゥルーエンドを見るには全員仲間にしているのが条件。なのでこのベーゴマに限らず、本作のミニゲームは強制されているに等しいものというわけなのだ。

あとこのベーゴマとカードが特に酷かったけど、少年漫画や他のゲームを元ネタにしているらしいノリがきつい。つまらない、半強制的にプレイを強いられる、世界観まで壊されているの三拍子で印象は極めて悪い。

 

 

料理バトル

こちらもベーゴマ同様に対象キャラが仲間になるまでが非常に長く、計ったことは無いけど一戦5分ぐらいかかってるのかなぁ。それを全15回だったかな。繰り返す必要がある上に、一戦終わると次の相手が登場するまで10分待つ必要がある。

内容自体も酷く調理でボタンを連打させる意味は一体・・・?

そして前菜、メイン、デザートの三品で競うのだが、何故か各料理がジャンル分けされていないため、前菜にカレーを出してメインにプリン、デザートにステーキなんて意味不明なことができるし、それで特に減点されたりすることもない。

 

全員からクソまず判定を下される闇竜料理界のナンバー3。

極めつけは採点の酷さで審査員全員、超偏食で一流料理人であろうと0点連発。
しかし何故か卵料理は苦手なキャラが少ないため、最初から最後までポーチドエッグ、オムレツ、卵焼きの三品を出していれば勝ててしまう。

 

失礼な言い方をさせて頂くが、いずれのミニゲームも作り込みが甘い中で特に、この料理と前段のベーゴマはミニゲームと呼べるようなレベルにすら達していない出来だった。
色んな要素を楽しんでもらおうという心遣いならばそれはありがたいのだが、実装するのならしっかり遊べるように仕上げてから世に送り出すべきだろう。

調整不足のまま色んな要素を詰め込んだところで、かえって印象は悪くなってしまうだけだって。

 

 

まとめ

100点満点なら30点ぐらい。本作をクソゲーだと断じる人も多いが、正直気持ちは分かる。
ただ個人的には決してつまらないわけではなく、不便すぎるUI周りや長すぎる演出のスキップ、ミニゲームを見直せば一気に70点ぐらいまでは上がるかな。

不満点をまとめた記事でも語ったのだがミニゲームは別として、他は一つ一つはそこまで気にならない要素が積み重なって山となり、稀に見るレベルの遊びにくさを形成しているといった具合なので、調整すれば全然化けるポテンシャルはあると思うんだよ。

(今は不具合を優先して直すそうだが)だからこの辺が調整されたら復帰して、多分最後まで遊ぶと思う。なんならベーゴマを緩和してくれるだけでも頑張れるよ。

 

ともあれレトロライクRPGは根強い人気を誇るジャンルの一つで、近年ならばオクトパストラベラーシーオブスターズあたりが有名だろうか。いずれも懐かしさを感じさせる見た目は共通しているのだが、この辺りの作品と本作が決定的に違うのは、中身が現代基準にブラッシュアップされているか否か。

昔のRPGの楽しさを新作として味わいたい人は多いだろうが、UIなどの不便さまで再現してほしいと思う人はそういないだろう(SFC~PS時代を思い返しても、本作ほど不親切なものはそうないと思うが)。この辺の詰めが甘すぎてかなり損をしてしまっている。

 

コナミの元スタッフが再結集して制作した、とのことなのでしばらくゲーム作りには携わっていなかった方も多いのかな。何て言うか、ユーザビリティに対する認識がそれこそ、幻想水滸伝が発売された当時のままという印象を受けたもので。

自分と同じような感想は多く各レビューはなかなか荒れているが、基礎自体は本当に悪くないので批判されている部分の調整は頑張ってほしいし、可能ならば認識のアップデートをして次にも繋げてほしい。このまま終わってしまうのは少しもったいない。

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