どうもこんにちは、Peter@peters_life0801です。
地球計画に続いてOPUSシリーズ二作目となる、魂の架け橋をクリアしたのでご紹介。
前作はまだまだ片鱗に留まっていたけど、この作品で一気に頭角を現した感があるね。
収集品など90%ほど集めてからクリア。プレイ時間は約8時間40分。
ボカしてはいるけどエンディング含めネタバレがあるほか、個人的な考察ではあるが
OPUS世界の行く末などを語っているため、未プレイの方はご注意を。
お気に入り度:★★★★★
概要
STEAM、Switchともに日時が少しずれているものの2018年に配信開始。
ほか、スマホアプリとしても先駆けて2017年に配信されている。
海外版のサブタイトルはRocket of Whispers.
直訳すると “囁く者たち(霊魂のことかな)のロケット” ってところか。
マイニンテンドーストアでのあらすじはこんな感じ。
銀河信仰に支えられた時代、人類は星の高さに憧れ、
宇宙の果てに有る故郷へと、霊魂を搭載したロケットを打ち上げた。「OPUS 魂の架け橋」は大災害後の物語。
孤独に置かれた青年と少女は、終末後の世界で先人たちに代わり「宇宙葬」を行う事を決意した。
死やすべての絶望を飲み込み、終わりの日に亡くなった霊魂達に安息を与える為に。さあ、荒廃した、全てが思い出となった世界で、様々な道具やパーツを探し出し、ロケットを完成させて、打ち上げるのだ。
この終末の先に、希望があると信じて…!引用元:https://store-jp.nintendo.com/list/software/70010000006703.html
この世界では人々は死後、霊魂となってロケットと共に銀河へ還るのが習わし。
しかし疫病による大災害によって地球に住む人類は大半が死滅。
当然、宇宙葬と呼ばれるこの宗教儀式も行われることはなくなった。
地球には銀河へ還ることが出来ず地上に縛られる霊魂が溢れ返り、宇宙へ還りたいと嘆く彼らの声は
数少ない生き残りである主人公・ヨハンを悩ませ続けていた。
霊魂たちの声にまともに眠ることもできず、精神をすり減らし続けるヨハン。
そんな中、彼は同じく数少ない生き残りであるヒロイン・フェイと出会う。
フェイは宇宙葬を執り行っていた巫女。
彼女と協力して魂を宇宙へ還すべくロケット造りに精を出す日々が続くが
(知識はあるものの)プロの技師でもなく、さらに終末世界に残されたあり合わせの素材で作るようなものでは、打ち上げもそう上手くいくはずはなく・・・。
ゲームとして大幅に楽しくなっている
ジャンルは探索アドベンチャー。
前作は物語や雰囲気は良かったものの、ゲームパートは少し単調だった。
しかし本作はこのゲーム部分が大幅に良くなっており、僕が探索ものが好きだってのもあるだろうけど、どんどん広がっていく行動範囲や入手できるアイテムにワクワクして、ダレることなく夢中でプレイすることができた。
真上から見下ろしたような視点でヨハンを操作してマップを探索、ロケット作成に必要なアイテムを集めていくことで物語が進行する。
目当てのアイテムがある場所を確認できたり、分からない場合も時間経過で使用できるヒントがあったりと、ユーザーフレンドリーな設計も好印象。
心を打つ切ない物語
最大の長所はやはり、OPUSシリーズの真骨頂と言えるストーリー。
終末世界ならではの悲しみに押し包まれた世界、そこで繰り広げられるドラマは一見の価値あり。
ヨハンは前述した通り精神的にかなり参っているし、気丈に明るく振舞っているように見えるフェイも実は結構ギリギリだったりする。
能天気にすら見えるフェイにヨハンは不満を募らせ、衝突することも多いが
そんなチグハグな二人が固い絆で結ばれていくと同時に、自身に課せられた重大な使命を成し遂げる過程を描いた物語は、涙なしには見られなかった。
作中で入手できるコレクションアイテムや調査ポイントからは、疫病発生前に生きていた人々や
滅びを迎えていく人類の様子を断片的に知ることができる。
未曽有の災害に瀕して食糧不足が懸念されたが、それを上回る速度で人類は死に絶えていった…。
メインストーリーを追うだけでも面白いんだけど、コレクションによって一層世界観に深みや厚みが生まれてゆくのは星歌の響きと同様だね。
こちらもなかなか考察・・・というか、本作の場合は想像かな。
色々背景を考えるのが捗る内容になっている。
気になった点
探索中の時間の経過が少し早めで、急かされてる感があるのは気になったかな?
ゲームが進むとファストトラベルが解禁されるけど、自分で歩いて向かう倍以上の時間がかかるので、使い勝手はいまいちだった。
日数制限などはないみたいなので、焦る必要は特にないんだけどね。
あとはまあ・・・無いものねだりってやつ。
星歌の響きを先にプレイしちゃっていたのでイラストが少し大味に感じてしまうのと、ボイスが無いのがどうしても寂しい。
もしこちらから遊んでいたなら気にすることはなかったはず。
絵柄に関しては絵本のような暖かみがあって、これはこれで結構好きかとも思うけど。
ジワジワと評価を上げてきているチームなので、この頃はまだあまり開発費もかけられなかっただろうし、仕方ないのは分かってるのさ。
そもそもゲームの値段自体が星歌の響きの約3分の1だしね。
ビジュアルガイドの原画、もしくは宣材に使われている絵柄でボイスありなら評価はまだまだ上がる。いつかリメイクしてくれたら嬉しいなぁ、なんて。
地球計画、星歌の響きとのつながりは?
巫女という職位の人間が登場するが、エイダや紅とはその役割や能力は全然違う。
霊魂は理魂に非常に近いものに見えるが、人にまとわりついて語りかけ続ける性質を見るに似て非なるものか。
ということで星歌の響きとの関連は特にないと思われる。
※理魂が長い年月を経て変化していったのが霊魂という可能性はあるかも。
魂も生物みたいに進化していくみたいな。感応らしき現象も興味深い。
もしかしたら今後のシリーズで語られることもあるかもね。
ラミアの居住スペースに二人のポスターが飾られているが、あれもエム同様ただのカメオ出演だろう。
三作に共通して登場する銀河歴という暦は星歌の響きが8500年代(エンディングでは8601年)、地球計画が16000年。
本作は地球計画の少し前ぐらい。
早く宇宙へ還してくれと急かしてくる霊魂がいる一方、自分が死んだことに気付いていない者達も…
星歌の響きは他作品との繋がりが怪しいがこちらは間違いなく、地球計画と同じ世界線の話であることが明言されている。
(地球計画の記事で触れているけど、エイダたちとエムは出会うはずがないので)
エムは地球を探していたことから、宇宙に住む人類と地球に住む人類の間には交流が無かったのは明らか。
人類が(ほぼ)滅んだ後とはいえ、その科学力も段違いのように見えるので隔絶されていたのは間違いない。
しかし本作の宇宙葬が行われる目的は、”魂を宇宙の果てにある故郷に送るため” とされており、
まるで違う星からやってきて地球を住処とした、とも取れるような記述がある。
もちろん、本作の世界で信仰されている地球教の単なる教義に過ぎないかもしれないんだけど・・・
エイダたちが地球人でない可能性があるのと同様、ヨハンたちも実は地球人ではなく
どこか違う星からやってきて入植した種族だったりするのかも?
あくまで可能性があるってだけで、エイダたちも地球人だと思うけどね。
まとめ: 大きな絶望の中で、小さな幸せを見つけたお話
最後は希望が残る様な綺麗な終わり方をするものの、まだまだ霊魂はひしめき合っているし
(何度もやらねばならないことが、ようやく一度成功しただけ)
人類の生き残りはヨハンとフェイの二人だけという可能性があることを考えると、救いのない話ではある。
ただそれは人類全体で見た場合の話であって、かけがえのないパートナーとなり
”魂の架け橋”であり続けることを選んだ二人にとっては同じ事を繰り返し、いつかそのまま老いるか病で死を迎える日が来たとしても、それはそれで満足のいく幸せな一生だと言えるのかもしれない。
この物語の数百年後にエムが地球を発見することになるわけだけど、恐らくその時代に生き残っている人間はもういないだろう。
疫病で滅んだ地球から果たして、人間の遺伝子を修復する情報は得られるのだろうか。
そもそもエムが再起動した時期があやふやだ。
彼が停止していた時間は数百年だとか想像しているよりも遥かに長く、その間に彼らを送り出した宇宙側の人類が滅んでしまっている可能性だってある。
OPUSとは、宇宙の果てにまで進出するほど栄えた人類が滅んでいく過程を、何作にも分けて描いているシリーズなのかもしれないね・・・。
いやあ、この魂の架け橋も楽しかった!
さすがに声が漏れるほど号泣するレベルではなかったけど、これも最後は泣いちゃったよ。
そもそも星歌の響きが異常だっただけで、今作も相当泣けた部類に入るんだ。
良い製作チームを知ることが出来たね、ほんと。
この作品の疫病に比べれば遥かに弱いものだとはいえ、コロナ禍真っ只中って世情に
プレイしたことも共感しやすく、より印象に残る要因になっていたりするかもね。