【評価/レビュー】 ザ・カリストプロトコル 【発売中止となった問題作…?】

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やあこんにちは、Peter@peters_life0801です。

本日は日本で発売中止となったことで、ゲーマーの間では結構有名なんじゃないかなと思う
カリストプロトコルをご紹介。

現状は日本では正規の方法でプレイすることはできないが、海外版の購入や
Xboxゲームパスに先日追加されたもので遊ぶことができる。

Steam版をやっている人もいるっぽいが、そちらの方はよく分からない。

 

ゲームパスは国内では当然未配信。以前ご紹介したデッドアイランド2と同じく、システムから本体設定を北米などに設定すれば、再起動後にゲームパスやストアのラインナップも該当国の仕様になるため、DLできるようになるというわけ。

上でも触れた通り言うまでもなく正規の方法ではないため、もしやるならば自己責任でお願いね。

 

お気に入り度:★★★☆☆

 

 

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概要

2022年12月1日配信開始。対応機種はPC、Xbox、PS。

ジャンルはサバイバルホラーで開発元は、ゲーマーなら耳にしたことも多いであろう
デッドスペースシリーズを制作したStriking Distance Studios.

日本でも発売予定ではあったが直前になって、恐らくゴア表現が問題なのだろうが
CEROとの折り合いがつかなかったために、販売元がリリースを断念してしまっている。

そんな事情のため表示言語は勿論、音声もバッチリ日本語吹き替えが収録済み。
プレイできる環境を得ることさえできたなら、快適に遊ぶことができるというわけだ。

 

あらすじは以下。マイクロソフトストアの商品説明から抜粋。

本作は木星の衛星である『カリスト』で最高レベルの警備を誇る、凶悪犯罪者専用施設『ブラックアイアンプリズン』に収監された主人公ジェイコブ・リーを巡る、300年後の未来を舞台とした、ストーリー性あふれるサードパーソン・シューティング・サバイバルホラー作品だ。ある日、施設内の囚人たちがクリーチャーへと姿を変え、プリズンは大混乱に陥る。生き延びるためには、敵を排除しながらカリストの地下に潜む暗く不穏な謎を解き明かし、ここから脱出しなければならない。射撃と近接戦闘をうまく組み合わせ、様々な戦術を駆使して急速に進化し続けるクリーチャーに対抗しながら、新たな武器や装備、アビリティを手に入れ、『木星の死の月』に巣くう恐怖と増大し続ける脅威から逃げ延びよう。

引用元:https://www.microsoft.com/ja-jp/p/the-callisto-protocol-for-xbox-series-x-s/9n1l0kl84b56?rtc=1&activetab=pivot:overviewtab

 

 

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グラフィックは凄いぞ!

これは手放しで褒められる要素であり、自分が知る範囲内ではあるが2024年6月現在でも
最高峰と言えるほどに綺麗。

 

 

しばしば実写かと思ってしまうほどだし、吹雪の中ではスーツにこびりつく雪の質感までリアル。

僕はグラフィックはあまり気にしないタイプだが、ここまでこだわっているならさすがに評価してしまうね。

 

 

キャラクターの魅力はそれなりか

三人の主要人物である主人公のジェイコブ、ヒロインのダニ、そしてイライアスはそれぞれ好感が持てる人物ではあったが、少し掘り下げ不足を感じたのも事実。

ストーリー全体を把握する分には問題ないが、少し描写が淡白で奥行きが生まれていない。

特にイライアスは何故あんなに博識なのかも含め、過去をもっと知りたかった。
確かジェイコブとダニみたいに他人の記憶を得たわけでもなかったよね?

 

それはさておきジェイコブは主人公ながら

・薄々怪しいと感じてはいたものの金のためにヤバい仕事に手を出していた

・自分のしてしまった事の重大さに気付き、良心の呵責に苛まれ贖罪をする

といった具合に良い意味で小市民っぽく共感がしやすかった。
生きるのに必死で目先の利益に飛びついてしまうけど、良心はしっかり持ち合わせている。

実際彼はただの運び屋である一般人だからね。

 

逆にヒロインであるダニは逞しい戦士のようで、作品によってはジェイコブよりも主人公っぽいキャラクターかもしれない。

最初こそ立場の違いもあるし、勇敢で頭の回転も速いダニに振り回されるジェイコブだが、次第に信頼関係が生まれ、背を預け合う良き相棒となっていく関係性は良かったね。

 

 

どうでもいい話だが友人の一人にそっくりすぎて何か笑える。
その子はとても穏やかな性格なのに、このダニは勝ち気で逞しい真逆の性格だからね。

ちなみにこのゲーム、グラフィックの質から気付く人も多いだろうが各キャラは
実在の俳優さんがモデルとなっていて、ダニは日系アメリカ人(両親はともに日本人)の福原かれんという方が演じられている。

ドラマや映画をほとんど知らない僕でも聞いたことがある作品に複数出演しているため、結構有名な方みたい。

 

 

戦闘は爽快感はまあまあだが・・・

銃器も登場するがメインは警棒(スタンバトン)による近接格闘。
これが重々しい効果音やモーションに加え、ゴア表現も相まって “敵を破壊している感覚” が強く
なかなか爽快。

回避アクションも簡単であるため、敵の攻撃を捌きながらの立ち回りは何だかゲームが上手くなったような、魅せプレイをしているような錯覚を覚えてしまうほどだ。

ただこの回避→近接で反撃→場合によって銃で追撃という基本的な流れは最初から最後まで変わらないため、人によっては単調だと感じるかもしれない。

GRP(敵やオブジェを掴み、投げつけるサイコキネシスのような能力)が多少のアクセントを加えてはいるが・・・。

 

敵が複数出現しても疑似タイマンになるのも、好き嫌いが分かれるかも?
まあ全員が本気で攻撃してきたらこのゲーム、クリア不可能になりそうだが。

 

簡単操作で格闘と射撃を織り交ぜたカッコいいアクションができてしまう。

 

個人的にはそれなりに気持ちよく楽しめたが、一方で戦闘に関しては不満もいくつかある。

詳細は気になった点にて後述しよう。

 

 

ユーザビリティは良いのか悪いのか

微妙な反応が続いて申し訳ないが、あらゆる要素が何かと惜しい作品だからね。

オプションの項目は字幕の文字サイズや背景、話者名表示の有無設定など気配りが行き届いている一方、カメラ速度がかなり遅いのに変更できなかったり、キャラに近すぎて画面が見辛いのに距離を調整することもできないなど、オプションには不満点も多い。

 

セーブの仕様も不便と言うかよく分からず、手動セーブがあるにも拘わらず
データの保存はチェックポイント到達時のオートセーブでしか行われていないようだ。

例えば数ウェーブに亘って押し寄せる敵を撃退するような場面で、第一波を退けた後にセーブしたとしても死んでしまったり、再起動すれば戦闘イベント開始前まで巻き戻されてしまうというわけ。

脇道を探索してアイテムを入手した時なども、チェックポイントを通過していなければ
死んだ場合は集め直しになってしまうなど、これはどうにかしてほしかった。

 

オートセーブされるデータは随時上書きされてしまうため、特定のチェックポイント到達時の古いデータを残しておきたい場合に利用できるぐらいで、正直あまり意味のない機能となってしまっている。

 

 

ローカライズの質は及第点か

洋ゲーは設定できる場合、基本的に音声は英語でプレイするのだが今回は変更するのを忘れてしまっていたのでそのままプレイした。

※ゲーム内では音声の変更不可。タイトル画面に戻ればできるが、まあいいかって。

 

声優さんはいずれも上手いしテキストの質も申し分なし。
印象は概ね悪くないのだがほとんどの場面で、キャラの実際のセリフと字幕の細部が異なっているのが少し気になった。言い回しの違い程度で意味は同じなんだけどね。

 

もう一つ気になったのがそこらに設置されているモニターなどに表示される文字まで
ご丁寧にローカライズされていること。

 

 

これは正直、蛇足じゃないかなと。フォントが安っぽいのが余計気になってしまう。

 

 

気になった点

インベントリがきつすぎる

アイテム所持数がかなり少ない上、アイテムボックスも無いので頻繁に取捨選択に悩まされることになる。一応中盤辺りで拡張されるのだが、進行に伴って新しい武器の弾丸などが増えてくるため全然楽にはならない。

なので不要なアイテムは捨てるかフォージで売却するしかないわけだが、フォージの数が少なすぎるのが困りもの。

 

お金含む物資が常にカツカツなバランスなので、捨ててもいいのは売価が安いバッテリーぐらい。
なので金策用アイテムはともかく、回復アイテムまで何度も売ることになったり
空きを作るためにフォージまで戻るといった手間は楽しいものではなく、ただ煩わしいだけだった。

あるエリアではフォージがあった次の部屋に、三個もアイテムが入ったボックスがあったが
何の嫌がらせなのだと思ったり(一方通行でもう戻れない)。

 

 

余計な武器は作らない方が良さそう

攻略と言うほどでもないが心構えとして、不要な武器は設計図を入手しても制作しない方が良さそう。

というのも入手できる弾丸の種類が増えてインベントリを圧迫する(所持していない武器の弾丸は登場しない)し、そもそも製作するお金も結構高額で馬鹿にならないためだ。

僕の場合はタクティカルピストルは最後まで作成しなかった。
パラメーターだけ見てると弱そうだがどうなんだろう、あれ。

スカンクガンはまあまあ強いしお世話になったが、最終的にはライオットガンとアサルトライフルさえあれば他はいらないので、作らないのもありなのかも? さすがに中盤が厳しいか。

 

 

戦闘に難あり

世界観や物語を楽しむとかを除けば、ゲームシステム的にはこれがメインの要素だろうが正直微妙。
というかちょっと理不尽なようにも思う。

上で挙げているように殴った感触や効果音は素晴らしくて爽快感がある一方、遠距離攻撃をしてくる敵が理不尽すぎやしないだろうか。

 

・狙いが正確で当たり判定も大きいので避けるのが難しい。
(この攻撃は一応ガードはできるが、何故か回避アクションは発動しない)

・基本的に他の雑魚と同時に現れ、そいつらはこちらへ向かってくるので優先的に倒すことは難しい上に相手をしている間に撃たれまくる。格闘他、銃撃で頭を潰せば遠距離攻撃は封じられるが同様の理由でそれもまた難しい。

・別に耐久力が低いわけではないので遠くから射撃で倒すのも現実的ではない。

 

といった具合に群れの中にこいつが混じっているか否かで難易度が段違い。
環境キルできる場所でなら、GRPで楽に切り抜けられるんだけどね。

疑似タイマンの仕様も相まってか敵に囲まれても、近接攻撃しかしない奴ばかりなら簡単なのに
こいつが一匹でも混じっているかどうかで、難しさが大幅に変わってしまうのは調整ミスだとしか思えない。

 

 

その他戦闘の不満点

・射撃武器の個性がない

銃器はハンドガンとショットガンが何故かそれぞれ二種類ずつあり、あとはバーストショットができるアサルトライフルだけの計5種。

アサルトライフル以外は単発射撃ということもあってか、威力以外の違いを実感しにくい。
宇宙世界なんだしなんかこう、エネルギーライフルとかもっと色々出せたと思うんだが近接をメインにするため、銃にはあまりこだわる気はなかったのかな。

 

・敵の種類が少なすぎる

ボスを除き対処法はまったく同じなので単調。
そのボスも二種類しかおらず、ラスボスじゃない方は使い回しで何度も登場する。

対処法も攻撃を回避した隙に距離を取りながら、ひたすら銃で撃つのを繰り返すと雑魚戦以上に単調でつまらない。

 

 

変わり映えしないステージ

舞台のバリエーション自体は結構あるはずなのだが、どこへ行っても暗くて狭い工場だとか宇宙基地のような、しかも細い通路の場所ばかりでロケーションが変わっても新鮮味がない。

二度ほどだったか屋外を進むシーンもあったがやはり狭く、すぐ終わってしまうし
もっと広々とした開放感ある場所を探索したかった。

 

 

せっかく景色は綺麗なのに基本、外の世界はイベントシーンで少し見られるのみ。
狭っ苦しい金属でできた通路ばかりなのは、世界観が分かりにくいという意味でも駄目だと思う。

(街並みや住居はどんななのかとか)

これが例えば映画・エイリアンのように宇宙船が舞台だったりしたら話は別なのだが、本作の場合は
人々が異星で生活を営んでいる居住圏が舞台なのだからね。

 

視界の悪さや導線が弱いのも不満

狭めの一本道ではあるが(多少の脇道は存在する)しばしば、次へ進む場所が分からなくなり
狭い範囲の中で行ったり来たり迷ってしまうことがあった。

 

一応このように矢印付きの看板があったりはするのだが、もう少し目立たせてくれないだろうか。

警備室を探す場面なのだが暗いことや、この梯子が周囲に溶け込みすぎていることもあって、ここではしばらく行先が分からず彷徨う羽目になってしまった。

 

煙だか霧だかで数メートル先もろくに見えないような場所や、電灯の点滅が激しすぎて
ポリゴンショックが起きるのではないかと思うような場所が多いのも気になったね。

点滅は少し気分が悪くなったので、長時間見続けていると危ないかも。

 

視界に制限をかけて恐怖を煽るのはホラーゲームの常套手段ではあるが、本作の場合はいささかやりすぎではないかな。

 

 

まとめ

プレイ時間は10時間14分で実績は515/1540解除。

物語はありきたりだし似たような景色が続くし、戦闘も序盤にGRPを入手するとそこからもう最後までプレイフィールが変わらず、殴りは楽しいものの同じことの繰り返し。

すでに述べた通り僕は別に嫌いではないが、大多数の人は単調だと感じ途中で飽きてしまうのではないだろうか。

※ストーリーに関しては尻切れトンボで終わるのも残念。DLCや続編で続けるとしても、もう少し綺麗に終わらせるべき。

 

過激な描写および発売中止になったことで話題にはなったが、率直に申せば
グラフィックは凄いのだがゲームとしては平凡だという印象。

決してクソゲーではないしつまらなくはないが、やり込み要素や分岐なども無いし一周クリアすればもう満足かな。楽しければDLCに手を出してみようかと思ったが、残念ながら買ってまで遊びたいと思えるほどのものではなかった。

一言で言えば全体的に惜しい作品だったね。