本日はゲーマーの間で話題になっている黒神話:悟空(Black Myth: Wu Kong)を
少し遊んでみた感想をご紹介しよう。
少しと言ってもSTEAMのプレイ時間を見ると7.2時間。アクションゲームならば評価を下すには
十分だとも思うが、レビュー記事はクリア後に改めて投稿する予定。
買うの迷ってたんだけど、ちょこちょこ配信見てる台湾Vtuberさんの何名かが遊んでて
凄く楽しそうなものだったんでね。我慢できなくなっちゃったわけよ。
前置き:本作を馬鹿にしている奴らに言いたい
本題へ入る前にまずこれだけは言っておきたい。
このゲーム、販売本数が1000万を超えて(シングルプレイ作品では)STEAMの同時接続数の記録も塗り替えたのだけど、ユーザーの大部分が中国人であることに頭の残念な人たちが
「世界では全然流行っていない」などと難癖を付けているのよ。
あのさあ・・・そりゃ世界中で満遍なく売れればより良いのかもしれないけど
世界最大のポテンシャルを持つ市場で大成功したんなら、ケチ付ける要素なんて無くないか?
1000万以上売れるゲームなんて他にどれだけあるよ?
これだけの大ヒットならもう、他国で売れまいがどうでもいいってレベルの数字だぞ?
国産タイトルで言えばSwitchで復活した桃鉄が出荷本数400万を超える大ヒットを達成したが、実際の内訳はソースが見当たらないものの、日本以外の国で売れたとは思えない。
恐らくはプレイヤーのほとんどが日本人だろう。
それでも嘲笑する要素なんて無いし、お膝元で売れて成功を収めたのだから立派だとしか言いようがない。
それに上で挙げた桃鉄にも似たようなことが言えるが、題材となっている西遊記が西洋でそもそも馴染みがあるとも思えず、原典を知らない人たちには主人公がサルだというのが魅力的に見えるとも思えないし、手を出しにくい人は多いだろう。
ドラゴンボールの影響もあって悟空とはWu Kongではなく、Gokuとして知っている人ならば多いかもしれないけどね。
自分たちに置き換えれば遠い国の、全然知らないおとぎ話が題材になった海外産の大作が登場したとして積極的に情報を追うヘビーユーザーはともかく、ライト層がどれだけそんな作品を手に取るだろうか。
本作の場合はゲーム自体の出来がかなり良いので、これから口コミで中国以外のユーザーにも
広まっていく可能性は十分あるのだが。
いずれにせよ大成功を収めた作品へのイチャモンはダサいし、負け惜しみにしか見えないよ。
アトミックハートやLies of Pでも変な奴らが湧いてたけど、作品の中身も見ずに
しょうもねえナショナリズムをゲームの世界に持ち込むなっての。
ほんとくだらない。
グラフィックが凄いぞ!
さて、毒を吐いたところで本題へ。
”あの豚” ってのは猪八戒のことかな?
超巨大な敵や大軍が立ちはだかり、オープニングからもうクライマックス感が半端ない。
実際はチュートリアルも兼ねたイベントバトルなんだけど、この足元に広がる雲。
これが移動したり何かしらのアクションで、自然にブワッと巻き上がり、霧散していくのにまず驚いた。
というか画面がこれだけの情報量で全然重くなったりしないのも凄い。
こちらは岩壁に彫られた無数の石仏。
雑なテクスチャで誤魔化したりしておらず、一体一体しっかり作り込まれており
グラフィックはパッと見の綺麗さだけでなく、細部まで狂気を感じるレベルでこだわっている。
基本的にグラフィックは重視しないのだけど、カリストプロトコルしかり、ここまで丁寧に
作られているとやはり評価せざるを得ない。
これが一瞬登場するだけの料理(食べても見た目に変化は無い)とかなら
「無駄なことに容量を使うな」となるんだけど、本作の場合はこの作り込みが舞台の空気感や昔の中国の雰囲気を、とても上手く表現してくれているんだよね。
キャラデザインも良い感じ
敵キャラクターは良い感じにキモかったり、かっこよかったり。
スクショじゃ分かり辛いが獣系のキャラは、毛の質感が凄くてモッフモフ。
悟空も第一印象は「まあサルだね・・・」ってなものだったが、不屈の自由人といった
感じのセリフがかっこよくて好きだ。
タイトルに反して(多分)主人公は悟空ではなく、オープニングが終わると何も喋らない
おサルさんになってしまうのは残念だけど。
※悟空が転生した姿、あるいは記憶喪失の可能性もあり、主人公の正体を知るのも
ゲームを進める楽しみの一つではある。
データベースも充実!
倒した敵は雑魚も含め図鑑に登録され、物語上では語られなかった細かい設定や背景を読むことができる。
西遊記を題材にした作品って結構あるけど、天竺行って経典をもらって帰ってきた──みたいな
大雑把な流れぐらいしか知らない人は多いのでは?
僕もそうなのだが、詳しく知るいい機会なので結構ありがたかったり。
読んでて興味深い、楽しい内容にもなっているしね。
絶妙な難易度! 戦闘バランスが素晴らしい
ソウルライクと言えるかどうかは分からないけど、本作はいわゆる死にゲー。
ボスは結構強いのだけどなかなか勝てない相手にも、どういうわけか毎回良い勝負になるのよ。
だから「こんなん勝てるか!」とならず、「次はいけるんじゃないか(でも何回も死ぬ)」ってなって心が折られずに、何度でも挑戦する気にさせてくれるんだ。
このゲーム敵が強いんだけど、主人公もめちゃくちゃ強いので、このパワーバランスが
良い感じの難易度を作り上げているのかもしれない。
あとこんなバランス故にボス戦が楽しいので、回数多いのありがたいね。
中ボスや隠しボスっぽいの含めたら、1つのステージに5体ぐらいいるのかな?
でまあ個々の腕前によるだろうけど僕の場合、初見撃破できず何回かやり直すことになる相手が
1~2体混じっている感じ。
リトライするごとに、そして乗り越えるごとに上達を実感できるし、達成感を得られる機会が何度もあるのは素晴らしい。
戦闘システム深堀り
ゲームの紹介も兼ねてもう少し詳しく説明。
通常攻撃アクションには軽と重があるけど、重撃はソウルや仁王なんかの強攻撃と違って
発動が超遅く癖がある。
しかし本作には攻撃や回避成功で溜まっていく棍勢ゲージというシステムがあり、これが溜まった状態での重撃の破壊力は凄まじいので、必殺技感覚で使うのが良さそうだね。
他には軽攻撃の連続コンボから棍勢消費で繋げられる、虚実撃という技もあって
こちらは隙が少ない分、威力も控えめなので相手によって使い分けるのも大事なのかな。
後から修得する立棍、刺棍の型だとまた使用感覚が変わりそうだが・・・。
いわゆる魔法の仙術はストーリーの進行によって修得するタイプ。
クールタイムは長いがいずれも強力なので、棍による攻撃に織り交ぜながらいつ使うか、タイミングが重要かも。
あとこのゲームにはガードがなく回避のみ。
(体を短時間石化させ、攻撃を弾く術はある)
瞬身、いわゆるジャスト回避を成功させると有利を取れるのでガンガン狙っていこう。
パリィと回避という違いはあるが使用感は、Wo Longの化勁に近い気がするね。
現在感じている不満点
いくつかあるので箇条書きにしていこう。
・暗い場所と明るい場所の差が激しすぎて目が疲れる。
これ設定でどうにかならないかな・・・ただ自分の場合、体質でPCは常に夜間モードだし
外出時はサングラス必須なほど目が光に弱いため、普通の人なら輝度上げるだけで気にならないかも。
※カラコンに間違われるぐらい目の色が明るいのが原因っぽい
・説明不足な要素が多め
チュートリアルはあるものの説明してくれない要素が多く、理解したり慣れるのに
時間がかかる要素がいくつかある。虚実撃と破棍式の違いて何よ、とか。
(構えごとに技名が違うだけで、初期構えの虚実撃=破棍式だと思う。多分)
・行ける場所、行けない場所が分かりにくい
各ステージはまあまあ広いものの、一見行けそうな場所でも見えない壁に阻まれ進めない場所がしばしば。グラフィックが綺麗すぎるが故の弊害とも言える。
※他作品では分かりやすく進入できなさそうな茂みが設置されたりしているが、本作には
雰囲気作りのためかそういったものが用意されていない。
あとは好みの問題だが、装備品は敵からドロップせず進行に応じて入手するタイプ。
素材を集めて自分で作るシステムなのだが、新しい素材を入手したらそいつで作れる装備が解禁されていく感じ。
個人的には装備は敵が落としてどんどん変更していくソウル、もっと言えば仁王みたいな方が好みだね。
まとめ
ソシャゲならば大規模な作品は原神などがあるが、家庭用ゲームのAAAタイトルとしては
中国初となる(はず)この黒神話:悟空。
中国らしい雄大さを感じさせるスケール感だけでなく、バランスなどアクション面も
良い感じだし、どんどん先に進めていきたくなる楽しさがある。
景色に見惚れてしまうこともしばしば。
作業や仕事などに使うのがメインなので、PCのゲームはなかなか進める時間が取れないのだが(ゲーム機だと片手間にやりやすいんだが)、早く先へ進めたいなぁ。
最後までこの満足感を維持、あるいはさらに高めてくれることを願う。
【評価/レビュー】 WO LONG(ウォーロン) 【悪くはないんだけど・・・】
【評価/レビュー】 Lies of P (ライズ オブ ピー) 【ソウルライクの新星】