OPUS(オプス) 星歌の響き  プレイ日記27話目 【第五章 その1】

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終わりは近そう・・・。

 

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真の黒龍

気が付くとそこは紅桜のベッドの上だった。

幸い脱臼で済んだだけで、他は至って正常らしい。
あの無茶苦茶な脱出方法を考えると奇跡と言っていい。

 

船は依然、黒龍の外環気流上に停泊していた。
無数の破片が漂う危険な一帯、何故離脱しないのかリバクは訝しむ。

 

それはラミアに黒龍を通して軌道計算をしてもらっているからだというが・・・一体何の?

 

「白龍よ。白龍の軌道計算。」

 

 

 

黒龍は双子の彗星だった──。

ラミアが鉱連の端末からハッキングしたスキャン画像に、それははっきりと示されていた。

 

「真の黒龍・・・それは黒龍を追従する高速彗星で、軌道も周波数もほぼ同じなの。」

 

リバクが偽物があるなら本物もある、と言っていたが正にその通りだったわけだ。

とりあえずは便宜上、こちらを白龍と名付けたらしい。

 

 

 

 

エイダの生きる道

しかし同じ軌道でも、僕たちが辿り着ける範囲には存在しないだろうとリバクは疑問を投げかける。

彼女曰く距離は0.3天文単位。

この世界の技術力では “近からず遠からず” らしいがこの辺りは他の船の往来もない、山塊の外縁領域。

もし燃料切れを起こしてしまったら救助は望めず、あまりにもリスクが高い。

 

お師匠を見つけるという同じ目的を持つラミアですら躊躇っているようだが、エイダは譲る気はないようだ。

 

「感情で動くのは良くない。」

 

リバクはエイダを制するが、長い旅路の果てにようやく見つけたゴールを前にした彼女の考えは変わらない。

彼女はここでリバクとは別れるという提案をする。

 

紅桜の貨物室は独立運用が可能で脱出艇にもなっているらしい。
それに乗って、一人だけで脱出してくれと・・・。

 

黒龍で互いの腕を握って歩いていたことを思えば、あまりにも水臭く薄情だ。

冗談はいい加減にしろとリバクは声を荒げる。

 

「エイダも僕の家族って言ったはずだ。なのに・・・なんでそんな事を言うんだよ!」

 

縮退星の引力圏だから燃料の消費も多い、脱出速度にだって到達できないかもしれない・・・

距離の問題だけでもなく、白龍へ向かうのがどれだけ危険であるかを説き続ける。

 

彼女はそれでも行くつもりだ。

計算によれば、この機会を逃すと白龍が次に山塊へ戻ってくるのは数十年、下手をすれば百年後。

 

 

それならまだチャンスはあるとリバクは食い下がるが、エイダは冷たくこう言い放った。

 

「じゃあその時が来たとして、頭の中は一族の事しかないあなたが、
 全てを放り出してエイ海から私の所まで来られるの?」

 

そこまで言うか・・・怒るか呆れるかと思えば、それでもエイダは自分にとってかけがえのない人。

もちろんだと言い切るが、そんな彼の反応を見て彼女は減らず口だと言う。

 

ここさ、声優さんの演技が凄いんだけど
リバクをなじる時、エイダがいつになくめっちゃ早口なんだよな。

本心じゃないのが透けて見えるのが聞いてて凄く心苦しい。

 

閑話休題。

 

エイダはリバクを無視し、ラミアへまくしたてるようにこれからのプランを話し始めた。

彼女の反応などお構いなしに一方的にだ。

そんなエイダを見て、困惑した表情を浮かべながらラミアは重々しく口を開く。

 

「あのさ・・・」

「・・・死ぬつもりなの?」

 

私は死なないと否定するが、どう見ても生き急いでいる様にしか見えない。

 

「危ないってわかってるから、リバクを行かせたくないんでしょ?」

 

そう、これまでこの三人を見続けてきたなら分かっていた人も多いと思うが、
彼女はリバクの身を案じているからこそわざと怒らせ、自分から離れていくように仕向けていたのだ。

 

リバクは愛するとても大切な人。
しかし、彼との幸せな暮らしを夢見ている一方で、紅を見つけ出して自分にけじめを付けなければ
彼女は前には進めないのは既に知っての通り。

本当に、身を引き裂かれる様な思いでリバクを突き放しにかかってるんだろうな・・・。

 

 

「いなくなったのは5年も前だよ!」

「お姉様、お願い!」

「もうお師匠の事を言うのは・・・」

 

ラミアの中では既にもう、ある程度踏ん切りはついていたようだ。
せめて亡骸だけでも見つけて弔ってあげたいという思いはあるだろうけど。

 

「私には・・・お姉様の方が大切。」

 

 

 

涙を浮かべるラミアの姿を見て、しばし沈黙した後・・・彼女は呟いた。

 

「ありがとうね。」

「でも恨むからね、二人共・・・」

 

 

 

分かれ道

三人で生きていく道を選んだエイダ。

プレイしている側からすれば嬉しい決断ではあるが、これで良かったのかという思いもある・・・。

 

「ごめんなさい・・・やっぱり二人だけで・・・白龍に行こうか・・・」

 

まるでプレイヤーの気持ちの一部を代弁するかのように、ラミアも口にする。

しかしエイダはきっぱりと否定し、離脱する準備を進めるよう指示をした。

 

次の瞬間・・・

 

外環噴流から流れてきた破片が無情にも、紅桜を直撃した──。

 

 

 

ああ。この後エイダがどうなるのか、何となく分かるよ。
そして年老いた現在のリバクがいる場所は・・・ほんともう進めるの嫌だ。

でもやめられない・・・。どんどん惹き込まれていく。

 

 

 

おまけ:黒龍から白龍までどれぐらい遠いの?

1天文単位は約1億5000万㎞。
なのでつまり白龍までの距離である0.3天文単位とは約4500万㎞。

 

ゲーム内で言えば補給施設があるロケーションとしては、最も外側に位置するティラン境域警備局から、縮退星「大荒」までの距離が端数切捨てで22天文単位。

※画面右下に表示されるauとは天文単位を記号で表したもの。

 

1天文単位につき燃料を1消費しているので、行って帰ってくるだけでも消費燃料は44。

 

紅桜の燃料最大値が50、そして双子の彗星は毎秒4000㎞もの速さでどんどん遠ざかっていることや、紅桜の現在位置を考慮すれば
0.3天文単位とはそう遠くなくとも、行けば恐らくは帰ってこられないという正に絶妙な距離なのだ。

ここまで細かく設定されてるの、本当凄いな。

 

 

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