【評価/レビュー】  サイコドリーム  【味わい深い怪作!】

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や、どうも。Peter@peters_life0801でっす。

 

今回は先日、ニンテンドーオンラインにて配信が開始されたサイコドリームを紹介しよう!

前もって言っておくとこのゲーム、パっと見は普通の横スクロールアクションなんだけど
色々異常でかなり異彩を放っている怪作だ。

 

なお、ガッツリとネタバレを含んでいるので注意。

 

お気に入り度:★★★★☆

 

 

概要

1992年に日本テレネットより発売。

聞いたことがないメーカーだなと調べてみたら、結構な数のゲームを出しているようだが知っているものはほぼ無かった。

しかし有名どころでは初代PS時代のテイルズオブファンタジア、デスティニー、エターニアおよび、PS2のデスティニー2の開発元らしいので地力はある会社のようだね。

 

事業の多角化の失敗などにより、残念ながら現在は倒産してしまっているとのこと。

 

 

 

さておき、ゲームのストーリーはこんな感じ。Wikipediaより抜粋。

 

いつの頃からか定かではないが、世界には精神遊離剤と感覚接続器を介して人間に仮想の世界を体験させる娯楽「ドラッグムービー(Dムービー)」が存在していた。それは1980年代初頭時点ではまだ噂話程度にしか知られていなかったが、10年とかからずに世間に普及、特に若者の間で流行となっていった。

このDムービーの流行は理想の世界に行ったきり現実へ戻ってこなくなる若者を無数に生み出した。「シンカー」と呼ばれるそういった若者らは、精神だけは理想の夢の中で過ごしているが現実の肉体は眠ったまま呼吸以外に何もしない状態にあり、当然長くは生存し得ない。しかしそれを承知でシンカーになる者は後を絶たなかった。

こういった事態への対策に国家公安委員会は公安4課、通称「ダイアモンドの犬」を1984年に組織。Dムービーに耐性のある人間をシンカーの精神に潜入させ、もはや自発的には戻ることのない彼らの連れ戻しにあたらせていた。この連れ戻し役の名を「デバッガー」と言う。

1992年、17歳の少女柚木沙耶香(ゆうき さやか)がシンカーとなった。彼女が選んだDムービーはデヴィッド・ヴィスコンティ監督作品「廃都物語」。沙耶香の精神を連れ戻す為、彼女の元へ二人のデバッガー、シジマ・リョウとトバリ・マリアが派遣された。

シンカーを連れ戻す作業は危険を伴う。もしも作業途中でシンカーの命が尽きればその精神世界内にいるデバッガーの精神もただではすまないのだ。シンカーとなってから経過した三日の時間ともともとの病弱さのため、あと24時間もすれば沙耶香は死ぬだろう。はたして、リョウとマリアは沙耶香の精神を連れ戻せるのか。

 

引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%82%B3%E3%83%89%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%A0

 

長くなるので省いているが、上のWikipediaや他のサイトでは
沙耶香を追い詰めた家庭環境なども語られているので、是非一読してみてほしい。

 

今の日本にこんなもんあったら、ハマったまま帰ってこない人多そうだな・・・。

92年と言えばすでに景気後退期だったそうだけど、それでも今よりはずっと豊かだった。

余裕のあった時代の方が自画自賛に走らず、こういう退廃的な世界観を持つ作品が多く生まれていたのは、何とも皮肉というか不思議というか。

 

 

 

ゲームシステム

・操作方法

Yで攻撃、Bでジャンプ、AでF・AT
Rは方向キーやBボタンと組み合わせることでダッシュやハイジャンプができる。

Aボタンで発動するF・ATとはシューティングゲームによくあるナパームのようなもので
一定時間無敵になり、画面全体へダメージを与える特殊攻撃。使用回数制限あり。

発動まで微妙にタイムラグがある上、発動中に動くこともできないので緊急回避に使うには心もとない性能。

 

 

・アイテム
敵が稀に落とすパワーアップアイテム。色によって効果が異なる。

=自キャラの近接攻撃を一段階強化する。三段階目が最高。
  取らずにしばらく放置しておくと青に変わる。

=自キャラの攻撃を遠距離に変更する。黄同様、三段階目が最高。
  取らずにしばらく放置しておくと黄に戻る。
  最初から青の状態で出現することはないようだ。

 

=近接もしくは遠距離攻撃が最大まで強化されていると出現するようになる。
  取ると最大強化状態の遠距離攻撃を前後に、同時に近接攻撃も繰り出す最強状態となる。
  ただし3度ダメージを受けると初期状態に戻されてしまう。

 

ピンク=体力回復。回復値は半分か1/3ぐらい? 赤と見分けがつきにくい。
    たまに時間経過で紫に変わるものがある。

=F・ATの使用回数が1増える。最大値は何故か6と中途半端。
  たまに時間経過でピンクに変わるものがある。

=短時間無敵になる。最初のステージでしか見たことがないんだけど、たまたま?

 

 

2人の主人公

ゲーム開始時にリョウとマリアの2人から選択。途中で変更はできない。
それぞれ性能が違うが・・・

 

・リョウ

 

オープニングが終わってゲーム画面に移って、まずこいつの姿にびっくりしたね!

赤い帽子に赤いマント、そして白タキシード!
武器は長剣? レイピア?

どう見ても変態。

 

(当時の)現代日本が舞台なんだから普通の服装だと思ってたわ!

精神世界だから自分の理想が具現化してるとかそんな感じなのかな?

 

近距離攻撃のリーチは横方向へはマリアに比べると短いが、
強化すると上方向へ大きく伸びるので、空を飛んでいる敵に対して強い。

射撃攻撃は細いレーザー。敵に当たると消えてしまうが、壁や床に当たると一度だけ反射する。

 

 

ぶっちゃけマリアの下位互換キャラ。

使用するキャラは白タキシードでなければダメなんだというこだわりでもない限り、リョウを選ぶ理由はない。

 

 

・マリア

 

なぜかボンテージ姿で武器は鞭。

リョウとは違う意味で、と言うか本来の意味で直球の変態。

 

近距離攻撃はリョウに比べ横へのリーチが長い分、上方向へは短め。
上から来るぞ!気を付けろ! の精神で戦おう。

 

遠距離攻撃は弾を複数同時発射する最強状態になってからが本番。
一発当たると、残りの弾がその敵めがけて飛んでいく。

凄まじい弾幕を張ることができるので、リョウのしょっぱい射撃とは雲泥の差だ。

 

また、最強状態ではジャンプ後、下降中にBボタンを押しっぱなしにすることで
ゆっくり降下することができる。

判定持続の長い攻撃などをかわすのに重宝するので覚えておこう。

リョウにはこれに代わる別の能力はないっぽいし、攻撃性能でも大きく劣っているので彼の存在意義は一体・・・。

 

 

 

 

良かった点

独特の世界観、嫌いじゃない!

序盤は東京と思しき街から始まるが、登場するのは地球外生命体のような得体のしれない奴ばかり。

 

地下鉄のステージ。電車にくっついている無数の目玉が怖い!

 

 

終盤はウイルスだかエイリアンだかに浸食されたような気味の悪いエリア。

しかし背景にはキレイなお城、と他のゲームとは一線を画す独特の雰囲気や世界観を持っている。

 

 

 

ラスボス戦は画像の背景にあった城内で戦う。

不気味な巨大生物が相手だが、背景ではかわいらしいカタツムリたちの
フロート車によるパレードが行われている。

 

TOKYO LAND PARADEと書かれているので元ネタは恐らくアレだろう。
この城もアレの象徴であるあのお城がモデルと考えて間違いない。

 

 

醜い敵たちや架空と現実が入り混じったような、不安定で形容しがたい不気味さは
精神崩壊しかけている少女の心の中の世界をよく表現できているように思う。

後述するBGMも相まってラスボス戦は非常に印象的。

 

 

名曲? それとも迷曲? 音楽だって独特!

聴いていると頭がおかしくなりそうな、洗脳されそうな・・・
なんだか精神的に不安になってくるような曲が多い。

しかし妙に耳に残り、これら独特すぎる楽曲が気付けばクセになっている。

やっぱ何か洗脳されてんのかな?笑

 

 

特にラスボス戦のBGMは秀逸。

儚げと言える気がするし、狂気を含んでいるようにも感じられるし、救いの手を拒絶する紗耶香の悲しい心の叫びのようでありながら、

悪夢の終わりを告げる優しい音色だとも思えてしまう。

 

作曲を担当したのはなるけみちこという方だそうで、何だか聞き覚えがあるなぁと思って調べてみたら、ワイルドアームズシリーズの曲を手掛けた方だそうだ。

昔ゲーム雑誌か何かで名前見かけたのを覚えてたのかな。

 

 

 

気になった点

単調なステージが多い

最初のステージこそ気合が入っているものの、途中で力尽きたか容量の関係か
中盤あたりのエレベーター(東京タワー?)、高速道路ステージの適当さが気になる。

川沿いのステージも背景こそキレイなもののめちゃくちゃ短いし。

 

 

トラック5は主人公が自動で走り続ける強制横スクロールステージ。
なのは良いんだけど、背景はまったく変化しないし敵がパラパラ出てくるだけで
道中に落とし穴など何かギミックがあるわけでもなし、本当にちゃんと進めているのか不安になってくる。

 

結局は任せるがまま、走り続けていたらそのうちボスに到達するんだけどね。
しかもこのステージ、無駄に長いんだよなぁ・・・。

 

 

ゲームとしての出来は微妙

攻撃やF・ATなどの硬直が気になり、動きが全体的に硬く操作性はあまりよろしくない。

ラスボスだけが異常に強かったり、最強状態が強すぎるがうっかり初期状態に戻されてしまうと
今度は難しすぎて立て直しが困難になるなど、バランスもイマイチ。

 

あと、あらゆるシーンで処理落ちが発生するのもマイナス。

 

歪んだ精神世界を楽しむゲームだと割り切ろう。

 

 

 

まとめ

独特の世界観や音楽、キャラクターなど見るべき点は多い。

カルト的とも言える雰囲気は虜になってしまう人もいるんじゃないだろうか・・・
ってか僕が半分そうなりかけていて、本作のラスボス戦の曲を聴きながら今も作業していたりする笑

 

正に怪作だとか奇ゲーだとかいう称号が相応しいゲームだ。
多分僕は一生このゲームのことを忘れないだろう。

 

とても万人に勧められるものじゃないし、ゲームとしては面白いとは言えないけど

大好きだわ、これ!

 

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おまけ: ちょっとした考察 & 攻略情報

分かりにくいステージギミック

ゲームを進めていていくつか分かりにくかった場所を紹介。

 

トラック1

エレベーターが停まると画面中央に何とも言い難いブツが現れる。
近づいて↑を押すと次のチャプターへ進むことができ、この先で登場する扉へも同様の操作で入ることができる。

最初ボス戦かと思ったけど何も起こらないし、飛び降りてみたら死ぬしで・・・。
まあよく見れば穴に見えなくもないか。

 

 

 

トラック3

 

東京タワー(?)のエレベーターが舞台。

背景が動いて上昇し続けているように見えるが、待っていても永遠に目的地へは辿り着かない。

敵を生み出し続けるモンスターの巣のようなものをすべて破壊すると次のシーンへ進むことができる。

 

めちゃくちゃ硬いし(十数発当てると倒せる)、攻撃が効いてるかどうか分からなくてしばらく進めなかった。

※攻撃を当てると点滅するんだけど、処理落ちが酷いステージなのでその関係で点滅してるのかと思ってた笑

 

 

ラスボスの倒し方

あくまで攻略ではなく倒し方! 難易度EASYにすると超簡単なのにそれでもラスボスだけは異常に強い。

ぶっちゃけSwitchの巻き戻し機能が無いと僕では倒せそうにないので、攻略なんて大それたことはとても言えないのだ。

 

とりあえず前提条件として、到達時点で最強状態でない限り無理ゲーだと思った方が良い。

 

ボスが撃ってくる弾が破壊可能で稀にパワーアップアイテムを落とすが確率は低いし、近接攻撃のみでは破壊も難しい。

※ちなみに最強状態でうっかりアイテム(黄)を拾ってしまうと初期状態に戻されてしまうので注意!

 

さらに制限時間があるので悠長にアイテムのドロップを待っていたのでは、時間切れでゲームオーバーになってしまう。

 

 

まずは足場を上って上の方へ行こう。触手のようにウネウネ動く両腕が弱点だが
攻撃が効くのは手の平のオレンジ色に光っている部分のみ。

マリアなら弱点を狙いながら適当に攻撃しているだけでOK。リョウは知らん笑

 

 

両腕を破壊してからが本番。
ボスの首が胴から離れ、浮遊を始めるので今度はこいつを攻撃することになる。

 

また、両肩あたりから先ほどの腕ビームと同じ攻撃を放つ2本の触手が生えてくる。

この状態になると触手付近(画面上部)にいると酷い処理落ちが発生するので下段へ移動するのが良さげ。

一番下なら触手の弾も飛んでこない。

 

首はフワフワ漂いながら高速でこちらへ突っ込んでくる攻撃を繰り返す。
行動自体は物凄く単純なんだけど、当たり判定の大きさや突進速度の速さで避けるのが難しい。

画面外や床の下へも移動するので、見えない位置から急襲してくるのも厄介だ。

 

残像部分にも攻撃判定があるっぽい。

 

うっかり攻撃すると硬直中に突進されてダメージを受けてしまうし、
かと言って安全に攻撃ができるチャンスはかなり少なめ。
制限時間のこともあるのでまあ・・・

 

巻き戻し機能をフルに活用して頑張れ。

 

としか言いようがない。

 

最強状態かつ難易度EASY、巻き戻し機能を駆使しても撃破時の残り時間は80ぐらい。

強いだけでなく硬さもヤバいのでほんとこれ、巻き戻しなしのNORMAL以上で倒せるんだろうか・・・。

 

 

主人公の名前の意味

主人公のフルネームはシジマ・リョウトバリ・マリア
ちょっと変わった名前だとは思わないだろうか。

漢字は設定されていないようだがシジマは静寂と変換できる。
そしてトバリは帳、二人合わせて静寂の帳という意味を持つようになっている。

 

本作の設定を考えると、荒んだ精神世界に取り込まれた者へ救い=静寂、平穏をもたらす
という意味から名付けられているのではないだろうか。

 

 

エンディングについて

ラスボスは沙耶香の恐怖心や狂気が具現化したものだと思われる。
捕らえられているように見えるが、自身の殻に閉じこもっている状態なんじゃないかな。

 

ともあれ、化物から解放された沙耶香。

現実へ戻りたくないのか、迷惑をかけてしまった主人公に顔向けができないのか
背を向けてなおも逃げようとするが立ち止まり、主人公の胸に飛び込もうとするシーンでゲームは終わる。

 

 

セリフなどは一切ないので想像するしかないが、危険を顧みず救いの手を差し伸べに来てくれた主人公に心を開き、現実世界へ帰ることを誓ったのだろう。

 

まあそれはいいとして、このエンディングには実は後日談があり、なんと本作の説明書に掲載されているらしい。

 

 

結構レアなゲームらしく、箱説付きは中古でも1万(執筆当時)を超えるのでおいそれと入手はしにくいが

サイコドリーム 説明書 で検索すればそのエピローグを掲載しているサイトが見つかる。

※会社は倒産してるけど版権的に大丈夫かどうかは分からないので、リンクは貼らないよ。

 

 

気になる人は見てみよう! 本作が気に入った人は必見と言える内容になっている。

 

 

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