【評価/レビュー】  OPUS 星歌の響き  【魂を揺さぶる一作】

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やあどうも、Peter@peters_life0801です。

長らく続けてきたOPUS:星歌の響き関連記事だけど、この評価記事をもってとりあえずは終了かな。また何か書きたくなったら適当にゴチャゴチャ書き殴るかも。

この作品が好きすぎて話題は尽きないし、語ろうと思えばいくらでも語れる気がする。
その内容が面白いかは別として。

 

ここ最近は大当たりの楽しいゲームを引き当てることが多かったけど
本作はその中でも・・・いや、今まで遊んできたすべてのゲームの中でも、一段高く評価したくなる素晴らしい作品だったね。一生分ぐらい泣いたかも。

 

お気に入り度:神ゲー

 

これまで5段階評価にしていたけど、このゲームはその枠組みには入れられないなってことで新設。

(もちろん良い意味で)一生涯忘れられないだろう作品にのみ付ける予定で、基本的には5点が最高。

神ゲーってなんか響きが軽い感じがするんだけど、このゲームを形容する良い言葉が他に思い浮かばないな。

 

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概要

STEAM版は2021年9月1日、Switch版は2022年5月11日に配信開始。
台湾のチーム・SIGONOによるOPUSシリーズの第三作目。

※2022年8月25日には遅れてXbox版もリリースされ、ゲームパスにも対応中。
 2024年2月をもって対象タイトルから外れるとのこと。

 

正確にはタイトルにFull Bloom Editionと銘打たれているが、これは無料アップデートによって
日本語のボイスが追加された状態を指しており、特定機種だけの完全版だとかそういうものではない。

無料アプデでボイス追加って太っ腹だね。

 

ジャンルはビジュアルノベル + アドベンチャーなのでゲーム性に特別目を引く部分はないが、プレイした多くのレビュアーからストーリーや音楽、世界観が非常に高い評価を受けており、様々な賞を受賞している。

ゲーム部分も探索のワクワク感や、直感的な謎解きパズルが個人的には楽しかったけどね。

 

2022年7月現在、STEAMのレビューでは好評価率が97%となっており、一般ユーザーからも支持されて ”圧倒的に好評” という評価を得ている、隠れた名作と言っていいインディーズ作品だ。

 

なお、OPUSはシリーズ物ではあるがそれぞれの作品に直接的な繋がりは無いので
購入を迷っている場合、過去作を未プレイだからと言って躊躇する必要はない。

過去作の主人公たちがカメオ出演しているが、知っていればニヤリとする程度。
物語の本筋には一切絡んでこないので、気にしなくても大丈夫。

 

 

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作り込まれた世界観が凄い!

 

人が宇宙で生活するのが当たり前になっている時代。

作中には地球という星を探しているキャラクターが登場するので、このゲームは
人間がかつて地球で暮らしていたことすら忘れられている、遠い未来のお話だ。

もしくは本作に登場する人間とは、地球を祖とする我々人類とはまた別の生物の可能性もある。

(これはゲーム内で少しだけ語られる人類の起源に関する記述から推察)

 

本作は人類が宇宙を往来する科学力を持ちながら、何故かその文明には古代の神話が密接に結びついているという少し不思議な世界。

現実では考えられないような科学技術と共に生きる人々が、宗教的にも技術的にも
その神話と深い関わりを持ちながら営まれている世界観は非常に独特、かつ魅力的な雰囲気を持っている。

古代神話といってもその神話となった昔の帝国は、主人公たちが生きている時代よりも遥かに高い技術力を持つ文明だった。

信じているわけじゃないけど、この地球にも太古の昔に現代よりも高度な文明が栄えていたが、核戦争で滅び去った──なんて話があるよね。

そういうロマン溢れる不思議な話は大好きなんで、神秘性の強いこのゲームの世界観にも惹き込まれるわけなのさ。

 

端的に言えばSF + 道教と言える設定なんだけど、この二つは相反するように見えて凄く相性が良いんだなって。意外すぎる組み合わせなのに、お互いの良さを引き立てあってる。

 

本作はこの神話から生まれたという、万能なエネルギー資源・龍脈を巡る物語。
龍脈は莫大な富を産む一方で争いの種でもあり、世界は荒廃とはいかないまでもその情勢はかなり不安定。

そんな中、それぞれの理由から龍脈を探し求める主人公のリバクと、ヒロインのエイダが出会うことで物語は動き出す。

 

我々の社会で言えば石油を巡る争いがより大きい規模で、国家間だけでなく、組織に属さぬ民間でも奪い合っているような状況だね。あるいはかつてのアメリカのゴールドラッシュにも近いかもしれない。

 

 

考察しがいのある設定も素敵

上に挙げた古代神話は物語に度々からんでくるものの一見、そこまで話の大筋には関係ないような絶妙な描写がされている。

しかしゲーム内で手に入る旅の記憶という、世界観を補足するアイテムを集めていくことで
朧気ながら全容が見えてきて、実はリバクとエイダの正体は・・・? なんて謎も推察できたり、非常に興味深いものとなっている。

 

神話関連以外でも作中に残る謎の多くは、これらのアイテムなどから様々な考察が可能であり
調べれば調べるほど、どんどん物語や世界観に奥行きや深みが増していくのは凄いとしか言いようがない。

サクッとクリアするだけでも良いゲームなんだけどね。

楽しめた人は是非、ラミアとマダラの関係やエイダの夢に現れる謎の光など
クリア後も残るいくつかの謎の真相について考えてみて欲しい。

この作品がもっと好きになるはずだ。

 

記事の最後の方に、僕なりの考察をまとめた記事へのリンクを貼っておくので、よかったら読んでみてね!

人によって導き出す答えは違うだろうという謎も多いけど、僕の場合はこんな風に考えたって参考程度にどうぞ。

 

 

キャラクターやメカニックのデザインも良い!

キャラクターデザインは男女ともにシンプルで無駄のない、落ち着いたデザイン。
僕の好みと言ってしまえばそれまでだろうが、かなり好きだね。

特にエイダ、ラミア、紅たち紅桜組の制服のデザインはカッコいい。

 

SFにおいて重要な宇宙船をはじめとした機械類や、人類が居留地としている小惑星、宇宙に残る古代文明の謎の遺跡など各施設のデザインもすっごくセンス良いと思う。

イチオシはともに旅する宇宙船・紅桜と万道風引所。

 

 

紅桜のフィギュアとか出たら絶対買うね。まず出ないだろうけど・・・。

 

 

涙なしには見られないストーリー、最高のキャラクター

 

トレーラームービーでも語られているように、本作は別れの決まった旅に出る物語。

序章(オープニング)からして悲し気な雰囲気で始まるため、プレイヤーは幸せな結末を見る事ができないのは最初から分かりきっている。

 

プレイ時間はやり込んでも15時間ほど(公式談)でありながら話の密度は濃く、喜怒哀楽を共にしているうちに主人公たちに感情移入してしまうことは必至。

どう良いのかは事細かに説明したいところだけど、このゲームの魅力はネタバレ抜きには語りにくいものが多いのでここでは伏せておく。

 

ネタバレしない程度の範囲内で言えるのは、心に深い傷を負ったキャラクターたちが
それを乗り越えるために、時にはぶつかり合うこともありながら打ち解けていき、目標へ向かって進んでいく・・・

必死に生きる姿に、この上なく心を打たれるって感じだろうか。

 

 

一見よくありそうなアニメ調の絵柄なんだけど、色の塗りや陰の付け方などがかなり特徴的。
要所で挿入されるこの素敵なイラストもゲームを大いに盛り上げてくれる。

 

遊び進めているうちに、主人公たちをどんどん応援したくなっていくんだよ。

だから悲しい結末が待っていると最初から分かっていて、身構えていても、最後は涙が溢れてしまった。

 

ラストシーン単体で見ても泣ける場面なのは間違いないんだけど、仮にあそこへ至るまでの展開が杜撰だったらここまで泣くことはなかったように思う。

 

ちょっとした仕草や何気ないセリフ、入手できる旅の記憶にも深い意味が込められていたり、感情の機微ももちろん、キャラクターの描写が非常に丁寧だったからこそ感情移入が極まって、一気に色んな思いが込み上げてきて大洪水レベルの涙が流れたんだろう。

※旅の記憶に関しては例えば終盤、あるシーンで入手できる花の種の学名と原産地、
 その説明文の意味に気付いた瞬間に泣いた。これらに隠された意味は直接は言及されない

 

この言葉は製作者様の引用だけど、本作は大きな世界の中のニ人の話

リバクとエイダの出会いが世界を変えるとかいったものではなく、主題はあくまでヒューマンドラマ。彼らの行動によって歴史が変わるわけではないし、世界を救ったりするようなスケールの大きな話でもない。

 

じゃあ小さくまとまった話なのかと言えばそんなことはなく、宇宙を舞台とする旅だけあって彼らの行動範囲は恐ろしく広いし、謎の遺跡が待つ未知なる宙域を冒険するなどプレイヤーの好奇心は存分に刺激してくれる。

壮大な世界ではあるけど、焦点はあくまで主人公三人の生きた道。
ん、上で二人って言ってる? いいんだよ、僕の中ではラミアも主人公の一人なんだ。

 

大きくはないけど小さくもない。

ヒロイックではなく、我々と同じような等身大の悩みや心の傷を持つキャラクター。
この絶妙な距離感が、より身近に感じさせるのかもしれないね。

 

登場人物はそれぞれ筋が通っていてみんな大好きだけど、特に物語のメインとなる
リバク、エイダ、ラミアの3人は、僕にとっては死ぬまで忘れられないキャラクターになるだろう。

 

 

ローカライズ、キャストなど脇を固める要素も素晴らしい

スタッフロールによれば日本の方が担当されているようで、翻訳されたテキストの質はかなり高い。
雰囲気を損ねないレベルでちょっとした小ネタやスラングも含まれていて、パンチが効いている。

誤字が多いのが少し気になるけど、いずれも意味は通じるので大した問題ではないかな。

 

そしてキャスト。
声優さんはそんなに詳しくないんだけど、みんな凄い声がハマってて良い感じだね。
演技もめちゃくちゃ上手い。

概要で触れた通り配信開始当初はボイスが無かったそうだけど
感情のこもった演技が素晴らしすぎるので、ボイスの有無で感動する度合いもかなり変わってきそう。

名作の完成度をさらに一段高みへ引き上げた、アプデでボイスが追加されたバージョンはまさに満開、Full Bloomの名に違わぬ状態だね。

 

※ちなみに主要キャラのキャストはリバク、エイダ、ラミアの順に
 寺島惇太、長谷川育美、鈴代紗弓(敬称略)。
 いずれも実力派の若手の方らしいが、確かに心を揺さぶる素晴らしい演技を聞かせてくれた。

 彼/彼女らの熱演が無ければ、ここまでこのゲームに引き込まれることもなかった気がする。

 

 

心に残る数々のBGM

良質な音楽がストーリーを盛り上げるのか、それとも良質なストーリーが音楽を引き立てているのか。答えは本作の場合は両方。

物語に合わせて繊細で悲しげだが暖かみのある曲が多く、音楽もまた忘れられない名曲が多い。

ゲーム起動時に  “ヘッドホンで最高品質の音響をお楽しみください” と表示されるが
その自信に違わぬ出来栄えだね。

 

ちなみに個人的におすすめの曲は以下。各サントラはSTEAMで販売されているよ。

 

サウンドトラックVol.1

1  :River
2   :Lumen Is Everflowing
3   :Glory and Untold Riches
12:Red Chamber
54:Thank you, Captain
65:I Can’t Protect Anyone
69:If It’s With You, Then I Would Love To See It
70:Our Name Was Known Across the Stars

 

サウンドトラックVol.2

36:Can I…Not Like Being Alone?
56:The Name Has a Special Meaning
58:Finally…It’s You
60:The Flowers There…Are Alway in Full Bloom (feat. Eda)
61:Echo of Starsong (feat. Eda)

 

2つとも買わずとも、上の曲は大体BEST SELECTIONだけ買えば収録されているはず。

60と61のエイダの歌は特にヤバい。

なーにが掠れ声だよ! 
こんなの横で聴かされたらリバクじゃなくても惚れるに決まってるじゃん・・・。

 

曲のクオリティが高いだけでなく、挿入されるタイミングも最高で
出来だけでなく使い方の上手さも、本作の曲が心に焼き付く原因の一つなんだろうね。

 

 

気になった点

僕個人としてはわざわざ挙げるほどの悪い点は無かったかな。

 

運で結果が変わるサブイベントは許容できない人がいるかも。
これはアイテムのみで、旅の記憶の入手には関わらなければ良かったかもね。

失敗した場合はSwitchなら、ホーム画面に戻ってゲームを終了→再起動すれば、納得のいく結果が出るまでやり直せるよ。

※本作の世界観には風水が密接に関わっているため、運気システムはここから来ているらしい。

 

他にはSTEAMレビューなんかで見かけた不満点だけど、台湾のゲームなので地名が中華風だったりネーミングは(日本人的には)結構独特。

人によっては慣れるまで少し分かりにくいのかも。

 

 

まとめ

RDR2やライブアライブでも泣いたことはあるけど、声が漏れるレベルで号泣してしまったのは初めてかな。

下にリンクを貼ってあるプレイ日記最終話のあとがきでも触れているけど、ラストシーンが瞼に焼き付いて10日ほどほとんど寝れなくなったほどだし、間違いなく今までプレイしたゲームの中で最も、心に鮮烈に刻まれた作品。

いくら涙もろいって言っても、特定のシーンが目に焼き付いちゃったり
ゲームで泣きすぎて不眠症になったなんてのはさすがに人生で初だし、この先あるかどうかっていう稀有な体験だ。

(あとがきの方にはネタバレ込みのプレイ直後の感想を掲載しているから、良かったら読んでみてね)

 

クリアからそろそろ一ヶ月ほど経つのかな。
でも今でもエイダの歌聴いたり、終盤のスクショ見てたら泣いたり息が詰まったりするもん。

Switch版の紹介番組見て直感的にこれは絶対面白い! と思って買ったわけだけど
ここまで自分にとってかけがえのないゲームになるとは、さすがに想像しなかった。

 

そもそも普段はインディーズゲーにはアンテナ張っていないのに、たまたまYoutubeで
Indie Worldがお勧めされてきて、いつもならスルーするのにたまたま何となく見て、そこで出会って即買いするほど惚れちゃったんだ。

あの時はこの作品の理魂と感応してたのかも、なんてね笑

※Indie World=Switchで配信されるインディーズゲーをまとめて紹介する任天堂の公式番組

 

SFやビジュアルノベル、アドベンチャーといったジャンルに抵抗が無く
ストーリーの良いゲームを探している人に全力でお勧めしたい。

 

 

二向無常…この作品と出会えたこと、幸運に思う。

 

 

 

 

おまけ:ビジュアルガイド配信中!

OPUS: Echo of Starsong Official Artbook on Steam
A curated collection of artwork and designs from the acclaimed title OPUS: Echo of Starsong! Featuring 130+ pages of gor...

 

STEAMでは原画やゲーム内のイラストを収録した公式ビジュアルガイドが販売されている。

没になったキャラクターデザインほか、本編では語られていない各キャラの年齢や身長といったデータも載っているファン必携のデータ集だ。

 

初期デザイン、リバクはいずれも製品版と大差ないんだけどエイダとラミアは
服がゴチャゴチャしたデザインだったり、そもそも髪型や顔つき自体が違ったりするものが多いね。

紅桜組の制服ほんと好きなんで、このデザインに落ち着いて良かったなと思う。

 

なお、サントラと違って単体では購入できずSTEAM版のゲーム本体が必要となる。
僕はすでにSwitch版を買っちゃっていたのだが、お布施も兼ねてゲームもろとも購入した。

 

素敵な体験をさせてもらったんだし、これぐらい安いもんさ。

ごく稀にしか出会えないけど、心の底から良いと思ったゲームには商品代以上のお金を支払いたくなる。

自分のお金が、次なる素敵なゲームの礎になるんだと思えば嬉しいしね。